フリーランスとは?【目指すためにはどうすれば良いのか?】

 

 
フリーランスはどんな働き方をする人のことを指すのか?
 
フリーランスを目指すためにはどうすれば良いのか?

こんな疑問をお持ちの方向けの記事になります。

昨今の世の中の流れから、フリーランスという働き方に興味を持たれている方も増えてきていると思います。ただ、実態についてはあまり触れられていないため、フリーランスとはどういった人たちのことを指すのか、フリーランスの働き方について全く分からず、一歩を踏み出すことに不安や心配をもたれている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、フリーランスについて解説して行きながら、どんなフリーランスの方々いるのか、フリーランスを目指すためにはどうしたら良いのかを解説して行きます。

フリーランスに案件を紹介する会社に在籍した経験を持ち、フリーランスなどに対するキャリア相談を1000人以上実施した私から解説して行きます。

フリーランスとは?

フリーランスという言葉は、新しい働き方として、各省庁からも言及されていますが、具体的に明確な定義がありません。様々な情報から、私なりに解釈したものを以下解説してきます。

フリーランスの私なりの解釈

企業と「雇用関係によらない働き方」で、「自らのスキルで対価を得る」人の総称

この解釈は、2つのことに注視しています

  • 「雇用関係によらない働き方」
  • 「自らのスキルで対価を得る」

この2つについては、それぞれ観点が異なります。

  • 「雇用関係によらない働き方」→『契約形態による観点』
  • 「自らのスキルで対価を得る」→『対価を得るという観点』

それぞれの観点からフリーランスを紐解くと理解しやすいです。

『契約形態による観点』

フリーランスは雇用契約では無く、企業と業務委託契約を結びます。

業務委託契約とは、

業務を外注する際に、業務を頼む人(=発注者)と業務を受ける人(=受注者)の間で依頼内容について定めた契約

のことを言います。

業務委託契約には大きく分けて請負契約準委任契約2つがあります。それぞれについて表にまとめました。

  受注者の義務 成果物の有無 中途解約の有無
請負契約 依頼内容通りに完成させる義務

有(納品することが必須)

依頼内容を完成させる前であれば発注者は契約を解除可能

準委任契約 善管注意義務※

無(納品することが必須でない)

発注者・受注者のどちらからでもいつでも契約を解除可能
ただし損害を賠償するケースもあり

中途解約ができるという点から見ても成果やパフォーマンスが非常にシビアに問われる契約をフリーランスは結んでいることがわかります。

※善管注意義務
平たく説明すると、「通常仕事を頼む上で社会人だったら誰もが払うであろう注意を払ってくださいね」という義務のことです。

『対価を得るという観点』

フリーランスは業務委託契約に基づいて対価が支払われます。

『対価を得るという観点』からも、業務委託契約の2つについてそれぞれ対価が支払われるタイミングが異なります。それぞれについてまとめました。

  対価が支払われるタイミング
請負契約

発注者から、依頼内容に取り決めた、完成した成果物を引き渡した時

準委任契約

依頼内容に取り決めた、報酬の支払いための基準が満たされた時
(例えば、基準には、労働時間や工数などがある)

依頼内容に取り決めた、依頼した行為が達成された時

対価が支払われるタイミングからしても、成果やパフォーマンスに紐づいて対価が支払われるというシビアな状況にフリーランスは身を置いていることがわかります。

フリーランスとは?

フリーランスの分類は以下のようになります。以下の用語は、フリーランスの実態と課題(2020年2月14日)フリーランス協会を参考にしています。

1.独立系フリーランス

そもそも、企業と雇用関係を全く持っていないフリーランスをここでは、独立系フリーランスと分類します。フリーランスの仕事のみでやっている人たちのことを指します。内訳については表でまとめます。

内訳

説明

1-1.経営者

事業を法人として行っている経営者のことです。
法人成り(※1)やマイクロ法人(※2)も含まれます。
(※1)法人成りとは個人で事業をされている方が、株式会社などの法人を設立し、法人で事業を行うよう変更することです。
(※2)マイクロ法人とは、1人発起の1人社長の法人のことです。

1-2.個人事業主

事業を法人ではなく個人で行っている人で税務署に開業届を提出している開業届提出者のことです。

1-3.隙間ワーカー

事業を法人ではなく個人で行っている人のことです。個人事業主以外の個人が当てはまります。
一般的には、定年退職者、主婦、学生などが含まれます。

2.副業系フリーランス

正社員などとして企業と雇用関係を結びつつ、それ以外でフリーランスの仕事をしている方々をここでは、副業系フリーランスと分類します。フリーランスの仕事を本業とは別の副業、兼業としてやっている人たちのことを指します。内訳については表でまとめます。

内訳

説明

2-1.経営者(雇用契約あり)

企業と雇用契約を持ちつつ、事業を法人としても行っている経営者のことです。

2-2.個人事業主(雇用契約あり)

企業と雇用契約を持ちつつ、個人で事業をされている人で税務署に開業届を提出している開業提出者のことです。

2-3.隙間ワーカー(雇用契約あり)

企業と雇用関係を持ちつつ、個人で事業をされている個人事業主以外の個人のことです。

2-4,雇用契約が2社以上

企業と雇用関係を2つ以上持っている人のことです。

フリーランスの働き方について

フリーランスの働き方については、フリーランスに仕事をお願いする側の企業の立場を考えると理解が早いです。以下、企業の立場から解説して行きます。

企業がフリーランスを使う理由

フリーランスの私なりの解釈における『契約形態による観点』『対価を得るという観点』の双方から考えると以下2つのことが言えると思います。

  1. 仕事を依頼したいときにいつでもピンポイントで頼むことが出来る(『契約形態による観点』)
  2. 難易度の高い仕事をお願いできるので結果的に人件費を削減出来る(『対価を得るという観点』)

企業としては、難易度の高い仕事が出て来た時に、本来では自社の社員で対応出来たら良いのですが、対応するまでの教育コストやスピードを考慮する現実的ではありません。そこで②からフリーランスにお願いするのは非常に合理的な判断になります。また、仕事が終わった場合は、ピンポイントの対応で問題なく、雇用し続ける必要もないので、①からフリーランスにお願いする事は非常に合理的です。

つまり、企業としては、フリーランスは、いつでも必要な時に、お手頃価格で仕事をお願いできる存在という事です。

さらに、確定申告や社会保険料の支払いなど社内業務が発生しないのも企業がフリーランスを活用するメリットの1つと考えられます。

フリーランスとして理解すべきこと

企業がフリーランスを使う理由から分かるように、企業都合で使われることが多いです。その理解のもと、企業とはシビアな関係性の中で、フリーランスとして仕事を受けなければなりません。

シビアな関係性について、もう少し具体的に説明すると、以下3つになります。

  1. 社内教育などに見られる投資をされない
  2. 仕事が決まらない不安定さがある
  3. 必要な手続きは全て自分で行う必要がある

フリーランスは、成果やパフォーマンスをしっかり示せれば、正社員などよりも高い報酬額がもらえます。その分、企業が正社員に対するキャリアアップのための研修などの社内教育は実施しません。①のため、同様の教育を望むなら、自己投資をする必要があります。また、常に仕事があるわけではないので、仕事ができない不安定さが生じます。②というのは、報酬がもらえる時ともらえない時が生じるということです。

つまり、フリーランスとしては、高い報酬がもらえるのですが、その中には会社が正社員などに雇用するために通常使う分の費用が含まれていることを理解する必要があります。

③についても、企業がフリーランスを使う理由の裏返しになりますが、フリーランスは確定申告や社会保険などの手続きは自分で行う必要があります。

目指すためにはどうしたら良いのか

フリーランスの分類で示した通り、フリーランスにはいろいろな分類があるので、今すぐなろうと決心すれば、今すぐにでもなれます。

ただし、フリーランスはどの分類で始めるかにより、収入面などで大きな影響がありますのますので、メリット・デメリットを理解した上でなるかどうかの判断をしてください。

フリーランスのメリット・デメリットは?はこちら

第一歩は副業系フリーランスがおすすめ

副業系フリーランスは、ハードルが低く、リスクもある程度低く考えられるのでおすすめです。

雇用されている企業から給与が定期的に入るため、フリーランスとして考えなければならない「仕事が決まらない不安定さがある」というシビアな状況は回避できます。また、シビアな状況の回避から安心感が生まれ、様々な仕事に挑戦できるのが非常にメリットです。さらに、自分がフリーランスとして何ができるかわからない場合などにも向いている働き方だと思います。

ただし、雇用されている企業に自分の時間の多くを割いている方がほとんどだと思います。そのため、収入を多く稼ぐのが難しいケースも多いと思うので、副業としてやっていたことが収入が安定するなど将来性が見えて来た場合に、副業から本業に変えるしまうような決断は必要になります。

自分のスキルとそれに見合う収入を得られるかどうかの見極めを、やり続けることが必要になります。

フリーランスの私なりの解釈

独立系フリーランスは、ハードルは少し高く、リスクもそれなりにあるので慎重に選択してください。

収入をフリーランスの仕事のみから得ることになるため、フリーランスとして考えなければならい「仕事が決まらない不安定さがある」という収入の安定性を保つのが難しいのがデメリットです。

不安定さを補えるくらいの貯金があったり、収入の安定性を保つようなやり方を確立している方向けの働き方だと思います。

当然、上手く仕事を見つけられれば収入としては多くなる傾向にあります。独立系フリーランスは、仕事自体のスキルの高さだけでなく、仕事を見つけたり自分を売り込んだりする営業力も問われて来ますので、準備はある程度必要になります。

自分のスキルの価値を高めつつ、その価値を一番評価してくれる仕事相手を探し続けることが必要になります。

最後に

フリーランスについて私の解釈も含め、解説して行きました。また、フリーランスという働き方を検討する上で以下は知っておくべきことを4つまとめます。

  • フリーランスは企業都合で使われることが多い
  • フリーランスは企業とはシビアな関係性が前提
  • フリーランスへの第一歩はリスクがない副業系フリーランスがおすすめ
  • フリーランス一本でやって行くには覚悟を持って!

フリーランスは働き方の1つの選択肢としてネットでも取り上げられることが多いです。ただ、実際にフリーランスとしてやって行くためには、リスクなどを事前にしっかり知っておくことが必要になります。その上で、リスクを低くして初めてみるおが良いと思います。

また、フリーランスという働き方は、今後さらに多くの人が経験されると思いますので、自分でやることも、あるいは一緒に働くためにも、その理解の重要性は増して行きます。

本記事を、是非参考にしてみてください。

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