こんな疑問をお持ちの方向けの記事になります。
スキルと言っても色々な意味があります。例えばフリーランスのエンジニアで言うと、JavaやPHPなどの特定の言語でのプログラムが出来る能力を指します。ただ、本記事では、そう言ったそれぞれの職種に必要な専門性の高いスキルの話ではなく、フリーランスとして仕事をしていく上での一般的なスキルについて解説していきます。
フリーランスの方に1000人以上キャリア相談をしてきた経験と自分がフリーランスとして日々必要に感じていることを解説していきます。
必要なスキル①(目標設定&目標遂行スキル)
スキルというか考え方にも近いので、スキルとしての切り分けが正しいか分かりませんが、このスキルがあればフリーランスとしてやっていけます。
目標設定については、本来事業のビジョンなどを設定する場合も多いですが、フリーランスとして最低限必要なのは自分が望む収入額(厳密にいうと収支の差額)を目標設定して、それにこだわり向かって行動していけることです。
正社員としても売上などの数字の目標設定にこだわり行動する事で成果を上げてきた方は、フリーランスで成功しやすいです。ただ、自分の収入に直接的に関係してくるので、正社員との違いの認識と覚悟が必要になります。
逆にこのスキルがないと感じた場合は、フリーランスになる事を考え直した方が良いです。フリーランスの厳しい面も多いため最低限持っておくべきスキルになります。
一方、スキルが十分に備わっていると感じた場合は、以下にあげるスキルについても、目標を達成するため自ずと高めていく事ができますので最重要なスキルとなります。
必要なスキル②(ヒューマンスキル)
ヒューマンスキルについて以下3つを解説していきます。
コミュニケーション
ここでのコミュニケーションは以下のスキルを指します。
フリーランスにとって、コミュニケーションのスキルは必須です。
フリーランスはプロフェッショナルとして成果を直ぐに出す必要があります。そのためには、現場にすぐに溶け込む必要があります。キーマンを探し出し、ヒアリングをしていくことで仕事を進めていくことも必要でしょう。現場が案件ごとに変わることもあるので、コミュニケーションを活かして、仕事を進めなければならない場面は多いです。
フリーランスは、外部の立場として、例えば、部門をまたぐような調整の仕事も実施します。会社の方針として、それぞれの部門に同意を求めるような場合は、社内の人間ではなかなか難しい場合もあります。そんな時、外部の人間ならば、フラットな立ち位置で仕事を進めることができます。フリーランスとしては、出来るだけフラットにするために、時には嫌われてしまう可能性があることでも、実行する必要があります。その際は、わかりやすく必要最低限の意思伝達が出来るようにコミュニケーションを実施していく必要があります。
コミュニケーションの方法も、メールやチャットや電話や対面しての会話など様々あるので、何を選択するのかも発注者の求めるやり方に合わせることができる人はコミュニケーションのスキルが高いと評価されます。
コミュニケーションは、お笑い芸人の方のように会話が弾むようなものをイメージするかもしれませんが、仕事の場面によって、伝え方や方法も変えて行く必要があります。フリーランスとしてしっかり身につけましょう。
コミットメント
ここでのコミュニケーションは以下のスキルを指します。
フリーランスにとって、コミットメントを高く保つという姿勢は、次の仕事への繋がりを作るために必須になります。
依頼された仕事をしっかりやり切ってくれないと発注者から信頼を得ることができません。信頼を得られなければ次の仕事をお願いすることもないと思います。フリーランスにとっては致命的です。
フリーランスでしたら現状スキルが足らなくても背伸びしてやれるということはよくあることだと思います。ただし、その背伸びの分を早急にキャッチアップして何が何でも成果を出すという姿勢はフリーランス に求められる部分もあります。
正社員の時にコミットメントは十分に鍛えられます。仕事を基本断らなければ仕事は自分に集まります。その環境下でしっかり仕事の依頼内容通りのものを納期中にやり切ることで実績が生まれ信頼に繋がります。少し背伸びをしすぎても周りが助けてくれるのでどんどんチャレンジしていくべきです。
日頃から意識してやっている人とそうでない人ではフリーランスを始めた時のスタートダッシュに差が生まれて来ます。信頼を築き上げるのは時間がかかりますので、フリーランスになる前にしっかり意識して養っておきましょう。
マネジメント
ここでのマネジメントというスキルは以下のスキルを指します。
一般的にマネジメントは組織を考えるのでチーム単位が多いと思うのですが、フリーランスとして自分が依頼された事で成果をあげられる事が大前提になります。そのため、あえて、「自分もしくは〜」という言葉を入れました。
フリーランスは時間に自由が効き、仕事量も自分で決められるため仕事をどれくらいやるかというのは自分の管理次第になります。そのため、自由な時間を求めてフリーになったのに幸いなことに仕事がもらえて逆に忙しくなって自由な時間がないなんて状況も生まれます。
正社員の時は上司や会社の取り組みとしてある程度管理してくれたと思います。その中で自らの時間管理やタスク管理をしっかりやられた経験をお持ちの方はフリーランスでも問題なく対応できると思います。自分のやり方を作り込みつつ精査してフリーランスのために準備をしておきましょう。
その上で、プロジェクトのリーダーや役職などを経験している方は、通常イメージされる部下などの人を管理して動かすという能力も持たれているかと思います。それはフリーランスとして求められる場合もあり突出したスキルにあたりますので十分にアピールしていきましょう。
必要スキル③(営業スキル)
フリーランスとして仕事を獲得する上で重要なスキルになります。
仕事が獲得できなければそもそも仕事にありつけませんので、フリーランスの場合、収入がゼロになってしまいます。また、フリーランスの場合は、自らの成果で収入を上げるため、例えば、収入を高くするな交渉事も営業スキルに含まれます。
ここでは「仕事獲得」と「条件交渉」の2つに分けて詳しく説明していきます。
「仕事獲得」とは
「仕事獲得」方法は次の3つがあります。
- 人脈を使う
- 新規開拓する
- エージェントを使う
具体的な取得方法とそれぞれのメリット・デメリット
具体的な取得方法をそれぞれ表にして解説していきます。
仕事獲得方法 | 具体的な取得方法 |
①人脈を使う | ・正社員の時の先輩や同僚に営業する |
②新規開拓する | ・ブログや SNSで情報発信をしてみたりする ・求人情報を出している会社に自分を売り込む |
③エージェントを使う | ・エージェントに登録し仕事を紹介してもらう |
それぞれのメリット・デメリットについても触れておきます。
仕事獲得方法 | メリット | デメリット |
①人脈を使う | ・自分の実績がわかるため、先方としても仕事を頼みやすい | ・人脈の広さに仕事量が比例するので人脈が一周すると仕事が枯渇してしまう可能性あり |
②新規開拓する | ・人脈の広さに関係なく仕事が獲得できる可能性あり | ・実績がないので仕事の獲得につながらない |
③エージェントを使う | ・仕事を獲得するための時間を割かなくて良い ・仕事が多種多様 ・フォローをしてもらえる |
・エージェントへの中間マージンが発生する |
ここであげたメリット・デメリットは一般的なものになります。ただ、フリーランスとしてやって来た経験歴や実績によってこのメリット・デメリットは違って来ます。
フリーランス経験歴別の報酬面のおすすめ度
フリーランスとしてやって来た経験歴を1年未満と1年以上に分けて、おすすめ度をそれぞれを表にして解説していきます。期間については、一般的に実績をあげるのに1年くらいかかると想定していますので、個人によって前後はあるとは思います。
仕事獲得方法 | 報酬面のおすすめ度 | |
フリーランス歴が1年未満 | フリーランス 歴が1年以上 | |
①人脈を使う | ○ | ○ |
②新規開拓する | × | ◎ |
③エージェントを使う | ◎ | △ |
一般的に①②がクライアントとの直契約であり、③はエージェントに手数料を支払うことになるため、報酬面からすると①②の方が③よりも有利となります。
フリーランス 歴が1年未満の場合について解説していきます。
人脈から仕事の獲得が期待できる①は「○」です。人脈がまだない②は通常より報酬額を低めにし、実績を作ることを優先すると思うので「×」です。③については、新たなクライアントに対して、エージェントが代わりに実績の担保をしてくれるので仕事の獲得の可能性が高く「◎」になります。
フリーランス歴が1年以上の場合について解説していきます。
引き続き人脈が期待できる①は「○」です。1年の期間をかけて、ある程度人脈が広がっているという前提ですが、②の可能性が広がりますので「◎」となります。③については、エージェントが商流に入るため、直契約である①②に比べて報酬額が頭打ちになる可能性があるため「△」としています。
条件交渉
フリーランスの仕事は契約期間が数ヶ月単位なものが多いため契約の更新手続きが頻繁に行われます。その際により良い条件で契約更新するように、条件交渉するのもフリーランスにとっては必要な営業スキルになります。
初回の契約は、特にフリーランスになったばかりの時は自分の市場価値が分からないため、通常よりも低めの報酬額で仕事を受けるケースはよくあります。初回の契約に関しては極端に安すぎなければ問題ないです。
仕事をやりながら実績を積んでいき信頼を獲得することが出来れば、それに見合う報酬額へ金額アップの交渉も可能です。
条件交渉によって金額アップすることで自身のモチベーションも上がります。また、常に自分のスキルと収入の関係を知っておき発信しておくことでより良い仕事を紹介してもらえるという可能性が高まります。
本来の市場価値についてわからない場合は、あなたと同じくらいの仕事遂行のスキルとを持っているフリーランスがどのくらいの報酬額なのか聞いてみたいり、エージェントに確認して情報収集してみるのが良いでしょう。とは言え、自分の値付けは自分で決めるのであくまでも参考程度で構わないと思います。
必要スキル④(事務処理スキル)
フリーランスとしてお金に入金・出金やその元となる契約事に関わる重要なスキルになります。
このスキルがないとどのくらい儲かっているのか分からないので仕事獲得のスキルがあってもどの仕事が今必要か優先順位をつけられないと思います。また、納税などを怠ると法的に裁かれる可能性があります。
非常に重要なことなのですが、一方で売上に直結しないスキルではあるので最低限は自分で身につける必要はありますが、結論から言うと、費用対効果を考えてツールなどを使って行くのが良いです。
経理業務
フリーランスにとって日々の収支を帳簿につけることは思った以上に時間が取られます。
経理の仕事をやったことがある方なら良いのですが、そうでなければ勝手がわからず時間のロスを感じてしまうかもしれません。
この時間のロスをかなり短縮することがクラウドの会計ソフトです。時間のロスをゼロにできるアウトソーシングするサービスも出て来ています。
契約書締結
フリーランスは案件ごとの契約書も自分で確認した上で締結しなければなりません。
仕事をもらうクライアントの契約書の雛形をベースに契約を締結することが多いと思います。
締結手続きはクライアントの進め方に依存してしまうため電子契約などに対応していないクライアントとの契約については少し手間が発生してしまいます。
その手間もコストなので電子化が進んでいないクライアンとの取引を後回しするなどの判断もありだと思います。
最後に
本記事では、フリーランスとして仕事をしていく上での一般的なスキルについて解説してきました。
フリーランスは会社ではないですが、やらなければならない事は会社とほぼ同じです。それを全て一人で行う必要があります。フリーランスとして大変な面の一つです。営業スキルや事務処理スキルが大変で、正社員に戻られる方もいるぐらいです。
ただ、今はいろいろなフリーランスの方向けのサービスが出てきていますので、うまく利用しつつ、自分のパフォーマンスが出せる様に専門的なスキルを磨く事に集中もやり方によっては出来ます。
フリーランスになり活躍するための参考情報となれば幸いです。