この疑問に回答する記事になります。
フリーランスの場合、クライアントから職務経歴書の提出を求められるケースが多く、その内容によって事前の打ち合わせすら出来ないなんてことも起こり得ます。そうならない為にも、以下で詳しく解説してきます。
本記事のフリーランスとして営業活動をして仕事を取られている方を対象にしています。
フリーランスに対するキャリア相談を1000人以上実施してきた私の経験が解説して行きます。
フリーランスには最強の営業道具
職務経歴書はあなたの実績やスキルをアピールできる武器の一つです。
あなたにとって職務経歴書とは?
仕事を一緒にやったことがあり、あなたの人柄や実績が既にわかっている相手であれば、事前の確認なく仕事の発注があります。
一方、初取引の場合、クライアントはあなたに仕事を任せて期待通りの成果を出してもらえるかを判断する必要があります。
職務経歴書が唯一の判断基準になります。
会ってもらえればアピールできる?
職務経歴書が不十分でも会ってもらえれば、挽回できると思っている方もいるかもしれません。
人気の仕事は応募者が多く、職務経歴書のみで判断されることもあり会うことすらできないこともあります。
現場の担当者が確認するポイント
フリーランスに仕事をお願いする場合の担当者は人事担当者ではなく現場の担当者になります。
転職のような採用プロセスとは、まったく異なることは理解しておきましょう。
具体的な違いはどこなのでしょうか?
現場のプロフェッショナル
現場の担当者は、現場のことを一番分かっているプロフェッショナルで、あなたと一緒に働く可能性が高いです。
現場の課題を痛感しており、その解決のためにに外部の力に頼ろうとしている。
その為、現場の課題を解決することを第一優先で判断をされるはずです。
人物像や会社の雰囲気にあっているかなどは二の次になるケースが多いです。
とは言え、余計なトラブルになると、しんどくなるだけなので、人物像や会社の雰囲気にあっているかも見られるケースもあります。
確認するポイント
現場のプロフェッショナルですので、現場の課題をいかに解決してくれるかを確認します。
つまり、あなたの経験が現場の課題の解決に役立つかを判断されます。
現場担当者が職務経歴書を読んで、あなたに仕事をお願いすることで課題が解決できるかどうか具体的なイメージを持ってもらえるかが勝負になります。
経験が不足であっても、現場担当者が、少しサポートしながらも解決に導いてくれる可能性を感じるなら検討の余地はあります。
職務経歴書の作成ポイント
職務経歴書の作成ポイントを順を追って解説して行きます。
既に職務経歴書が、お手元に用意されている方もいらっっしゃると思いますので、ポイントをしっかり捉えて表現できているか参考になさってください。
本記事では以下のレイアウトを想定していますが、内容を埋めていく順番は以下に示す章立ての順でオススメしています。
- 職務要約
- 得意領域・スキル
- 職務経歴
- 自己PR
- 資格
「職務経歴」のポイント
現場担当者があなたに仕事をお願いできるかどうか、具体的なイメージを持ってもらえる箇所になります。
それぞれの仕事の単位ごとに次の3つを書いて行きます。ポイントも3つ分けて解説して行きます。
- 業務内容
- 役割
- 成果
具体的な職務経歴例は以下です。
期間 | 主な業務内容 |
2019年4月 〜 2020年3月 |
【業務内容】 健康系webアプリ開発における新規機能開発や既存機能の改善、サービス運用 【役割】 ・プロジェクトマネージャー ユーザ社員5名と自社エンジニア5名の計10名のチームを管理 【成果】 ・開発工程が大幅に遅延していたため、2019年10月リリース予定の新機能改めて絞り込み、リリースさせた。 ・サービスの運用部署の業務の標準化を行い、マニュアルを整備することで体制を5人から3人まで削減させた。 |
それぞれの書き方を説明して行きます。
『業務内容』のポイント
業務内容では現場担当者が依頼しようとしている仕事を任せられるかを、今までの仕事の経験をアピールして行きます。
ただし、過去の契約書に機密保持の取り決めがある場合は、問題になる場合があります。
その場合は、会社名やサービス名などは特定出来なような表現にしておきましょう。
クライアントとの事前の打ち合わせをする際にも説明の場がありますので、その場で少し具体的に説明することも可能です。
『役割』のポイント
役割は、業務内容のような今までの仕事の経験に対して、どんな立ち位置で関わったか、また、今までの仕事の規模感か、をアピールして行きます。
お願いする仕事においても、お願いしたい立ち位置は様々です。
例えば、アプリ開発の開発責任者の仕事でも次のような役割があると思います。
- 全てを任せされる開発責任者(アプリ開発が初めてで会社にて、自社にノウハウがないためクライアントからの依頼)
- 開発管理のみを任される開発責任者(アプリ開発は何度もやっているが、開発プロジェクトとして回せる人がいないクライアントからの依頼)
この辺りの違いによってお願いできる仕事も明らかに変わってきますので、役割を明確にできると現場担当者が判断しやすいです。
『成果』のポイント
成果は、業務内容と役割に対して、依頼した仕事内容を達成できたかをアピールして行きます。
クライアントとの打ち合わせの際で詳細を伝える形を取っても問題ありませんが、業務内容が達成できた場合の工夫したポイントやうまくいくためのコツなども触れておけるとさらに良いです。
例えばプロダクトに携わりリリースした仕事の場合は、売上金額、利用者数、受賞した賞などを記載すると、成果がわかりやく伝わります。
「得意領域・スキル」のポイント
得意領域・スキルはあなたの強みが何なのかをアピールして行きます。
これだけは任せてくれという宣伝をするようなイメージでしょうか。
得意領域・スキルで今後したい仕事も決まってくると言っても言い過ぎではないので、やりたい仕事が変わってきたらその都度変えて行くことをおすすめします。
「職務要約」のポイント
あなたがどんな職務を歩んできたかをアピールして行きます。
現場担当者は、「職務要約」→「得意領域・スキル」→「職務経歴」の順に確認するはずです。
その内容は一貫したものであれば読みやすいので、流れを意識してください。
本記事では、読む逆で作成することをおすすめしていますが、読む順で作成していっても全く問題ありません。
得意領域・スキルは今後のやりたい仕事よって変わる可能性がありますので、その都度、職務経歴や職務要約も修正して、流れを意識して内容が一貫したものになっているか確認してください。
「自己PR」のポイント
今までは、フリーランスとして具体的な実績を中心に、即戦力としてできる事をアピールにしてきました。
ただ、現場担当者も現場の課題が解決することを第一優先としているはずですが、一緒に仕事をしていく上で、どの様なヒューマンスキルを持っているのか知りたいと思います。
ヒューマンスキルが確認出来るとより安心して仕事を任せることが出来ます。
ヒューマンスキルについては、以下の3つを伝えると良いと思います。
②コミットメント(やりきる力)
③マネジメント
具体的なエピソードを交えて3つのことを言えると良いです。
【例】
コミットメント:
仕事に対する責任感が強く、時間厳守して仕事を進めることを強みとしています。
ある開発プロジェクトでリリースが間近に迫っており厳しい状況だったが、関係各部署と交渉することで巻き込み、タスクを追加負担してもらいつつも、自分も可能な限り残業を実施して総力戦で対応することで遅延なくリリースすることが出来ました。
「資格」はあれば書いてください
書けることがあれば書いてください。
現場担当者が資格の価値を理解できないと触れられもしない場合がありますので、書かなくても大丈夫です。
「志望動機」はいらない
転職ではありませんので、必要ありません。
フリーランスになりたての場合
会社員からフリーランスになりたての場合は、フリーランス用の職務経歴書の作成は難しいと思います。
書ける実績がない。。。
会社員の経験しかなく、職務経歴に仕事ベースで切り出して書けるものがなければ、転職用の職務経歴書で代替するしかありません。
実績がないと見られますが、事実としてフリーランスの実績がないので仕方ないです。
ただ、会社員の経験や実績でも現場責任者にイメージを持ってもらえることは可能ですので、以上のポイントを参考に職務経歴書を作り込みましょう。
アピールできる強みが分からない。。。
項目はなるべく以上に示した通り、フリーランスの職務経歴書と同じにしていただきたいです。
その場合は、フリーランスの経験がなければ、得意領域・スキルは書きにくいかもしれません。
ただし、自分がフリーランスとしてアピールできる強みになりますのでしっかり作り込みましょう。
とは言え、どうしても思い浮かばなければ書かなくても仕方なしです。
職務経歴や得意領域・スキルに書けることを増やす為に、フリーランスの仕事をひたすらやって行きましょう。
実績のなさを、会社員の時の実績や自己PRとともに報酬額の安さなどで対抗して行き、仕事を獲得して実績を上げて、職務経歴書を充実させて行きましょう。
最後に
フリーランスにとって職務経歴書は、クライアントの現場担当者に自分の仕事ぶりをいかにイメージしてもらえるか重要なものです。
職務経歴書の書き方によって、依頼される仕事内容も変わってきます。
受けたい仕事を想定しつつ、自分の業務の経験や実績の取捨選択をして職務経歴書を作り込んで行きましょう。
フリーランスの最強の営業道具という意味は、作り込み度合いによって、自分の望む仕事が勝手に依頼される状況も作れるからです
本記事を是非参考にして職務経歴書を見直してみてください。