この疑問に回答する記事になります。
ネットにある情報は、納得感のあるものから少々疑問に感じでしまうものまで様々です。本当のところどうなのか詳しく解説していきます。
本記事の対象は、フリーランスという働き方をこれからして行きたいと考えている方をイメージしております。
フリーランスに対するキャリア相談を1000人以上実施してきた私の経験から解説して行きます。
フリーランスのメリット・デメリットは?
フリーランスのメリット・デメリットはどんなことが挙げられているのでしょうか?
詳しく見て行きます。
実際のネットの情報は?
実際google検索で上位に出てくるサイトから抜粋してみると大体、次のようなものに集約されます。
それぞれについて、後ほど細かく触れて行きますが、まずは列挙して行きます。
フリーランスのメリット
1.収入が増える
2.仕事を選ぶことができる
3.人脈が広がる
4.副業ができる
5.ワークライフバランスが取りやすい
6.仕事への満足度が高い
7.定年退職がない
8.働く場所が自由
9.時間を効率的に使うことができる
10.ストレスが軽減される
11.税金の軽減される
12.必要経費の計上が可能
フリーランスのデメリット
1.収入が安定しない
2.仕事に関わる全てを自分で対応する必要がある
3.事務作業・確定申告を自分で対応する必要がある
4.孤独を感じる
5.有給休暇がない
6.スキルが伸びない
7.体調管理・スケジュール管理が大変
8.モチベーション管理が必要
9.不景気に弱い
10.社会的信用が低くなる
11.健康保険の対象が少なくなる
12.年金が少なくなる
制度として存在するメリット
制度として存在しているので、間違いなくメリットと言えます。
列挙したメリットの中で次の2つが当てはまります。
11.税負担の軽減される
個人事業主としての開業届や帳簿作成などの対応が必要ですが、青色申告特別控除を活用できます。
12.必要経費の計上が可能
事業に関わる費用や打ち合わせにかかった食事代や交通費を必要経費として計上することできます。
税金計算の際に、売上などからの総収入から必要経費を差し引いた所得を適正なものにできます。
その他のメリットから私が考えること
1〜10から受ける印象は、成功したフリーランスが感じるメリットになっています。
成功を目指してフリーランスを始めることも必要です。
ただ、フリーランスになろうか迷っている人については、少し話が遠すぎて現実的でない部分もあります。
より現実的なメリットとして私が挙げられるのはたった一つです。
これのみです。
『ビジネスで生き抜く力』とは
フリーランスは、仕事の全てを一人でやる必要があります。
売上を上げるために、他者に負けない尖ったビジネススキルは磨き続ける必要があります。
自分の強みをしっかり理解して、その上でマーケティングや営業戦略を立てる必要もあります。
その上で、契約・請求手続の様な事務作業や確定申告も自ら行うため、総合的なビジネススキルも身につける必要があります。
フリーランスとしてしっかり稼いでいるならば圧倒的にビジネススキルが身につきます。
ビジネススキルが身につけば、どんな仕事をしても役立つので『ビジネスで生き抜く力』が身につきます。
この点を面倒と思わずメリットとして感じるなら、フリーランスになることを強くおすすめします。
例えば「メリット①収入が増える」を考えてみる
※フリーランスの収入の考え方はこちらを参考にしてください。
フリーランスの収入は正社員の時よりも150%以上稼げないと同じと言えません。
事実として収入は増えるけど増える割合によっては、結局同じくらいもしくは稼げてない可能性も十分あり得ます。
私が考えるフリーランスのメリットは『ビジネスで生き抜く力』が身につくことにより、収入を増やすためにビジネスの再現性を作り出すことができる事です。
つまり、自分で稼げる1つ柱を作ることができれば、そのやり方から、収入の柱を2つ、3つと増やすことは可能です。1つの柱を作ること自体、始めは大変なのですが。。。
また、例えば、収入の柱と考えていたが、景気を考慮すると、この分野は今後厳しくなりそうだから、新たな収入の柱を用意するような思考になることも可能になります。
この先を見据えた選択をすることができれば、デメリットにあげられた「1.収入が安定しない」は解消されることになります。
制度として存在するデメリット
制度として存在してしまっているので、これも間違いなくデメリットです。
列挙したメリットの中で次の2つに当たります。
11.健康保険の対象が少なくなる
青色申告で確定申告を行うことで国民健康保険料を抑えることはできます。
ただ、病気や怪我で会社を休んでる間に働けない人への保証である傷病手当金や出産などで会社を休んでいる間に働けない人への補償である出産手当金はありません。
12.年金が少なくなる
厚生年金から国民年金になるため年金の将来支給額が少なくなってしまいます。
その他のデメリットから私が考えること
1から10から受ける印象は、そこまでデメリットではないかなという感じです。
私があげたフリーランスのメリットである「『ビジネスで生き抜く力』を身につける」から見ていくと、むしろメリットと捉えられるものもあります。
それ以外は、心構えによってどうとでも捉えられるものもあるので、取り立ててデメリットと考えるものはないです。
以上を考慮しても、唯一触れておきたいデメリットがあります。
10.社会的信用が低くなる
フリーランスは正社員のように会社で雇用されていた時よりも、信用がかなり低くなります。
よく言われていることは以下のような状況が起こります。
- クレジットカードが作れない場合がある
- 住宅ローンを組むことが難しい
- 銀行からの融資が受けられ難い
これに関しては、フリーランスになる前の正社員の時に、対応できるのであれば、してしまうことをおすすめします。フリーランスの立場でも信用を担保して対応できるやり方も辛うじてあるにはあります。
これ以上に、フリーランスとして大きな壁となるのは下記になります。
- コンプライアンスが厳しい大企業と直接取引ができない
これは個人のフリーランスでしたらほぼ取引は不可能です。
会社を立ち上げてフリーランスの仕事もされている方もいますが、その場合も厳しいです。
取引するためには、大企業が用意する事前の審査に通る必要があり、会社としての信用を確かめるための様々な書類の提出を求められ、厳しく判断されます。
設立から2年から3年以上が経過しており、ある程度会社組織として成り立っていないと審査は通らないことがほとんどです。
ネットのメリット・デメリットに細かく触れる
それぞれのメリット・デメリットに細かく触れていこうと思います。
メリットに細かく触れる
1.収入が増える
フリーランスをやれば多くの人が当てはまる事実ですが、増える割合によってはメリットになり得ないこともあります。
2.仕事を選ぶことができる
フリーランスを始めたばかりの時は実績を作る必要があるため仕事は選べません。
フリーランスの仕事が軌道に乗り始めた時は、収益性の低い仕事は避けるべきですので、逆に仕事を選ばないといけません。
3.人脈が広がる
フリーランスにとって人脈は勝手には広がっていくものではなく、意図的に広げるものです。
そうしないと良い仕事には巡り会えません。
4.副業ができる
「副業」を「収入の柱を複数持つこと」と捉えるならばフリーランスにとっては「副業ができる」ではなく「副業をすべき」になります。
そもそもフリーランスにとって、副業という表現が正しいかどうかわかりませんが。
5.ワークライフバランスが取りやすい
フリーランスの仕事が軌道に乗るまではワークライフバランスは結構はちゃめちゃな可能性が高いです
ただ、フリーランスは自分一人で稼いでいくため、自分が倒れないためにワークライフバランスには気をつけた方が良いです。
6.仕事への満足度が高い
フリーランスの仕事は自分で稼げている実感があるので満足度は確かに高いです。
ただ、軌道に乗るまでは厳しいことも多いと思います。
7.定年退職がない
メリットではないです。
定年退職は確かにないので、働こうと思えばいつまでも働けます。
ただ、そもそも仕事が保証されていないので、仕事が明日なくなる可能性もあり、定年退職の制度があろうがなかろうが関係ありません。
8.働く場所が自由
会社まで毎日通勤する必要がないということがメリットならばフリーランスになりたての立場でもメリットになり得ます。
ただ、ある程度成功していないと働く場所の確保もコストが発生するため、働く場所の選択肢は自宅一択になり、自由はありません。
9.時間を効率的に使うことができる
フリーランスを始めたばかりの時は、非効率な状態でも仕事やる必要があります。
仕事がひっきりなしにもらえる状態になった時に、効率的な状態に仕事の構成など組み替えられた時に実感できることです。
10.ストレスが軽減される
正社員時代の人間関係や仕事以外の付き合いなどをストレスとするならば、フリーランスになりたての立場でもメリットになり得ます。
付き合いなどをストレスと感じない場合でも、成果をしっかり出さなければならないなどの別のストレスが生じます。
ただ、仕事を多くやっていく中で、やったことにダイレクトに成果がついてくるというシンプルさの体感が得られた時、無駄なストレスが軽減された実感します。
11.税金の軽減される
12.必要経費の計上が可能
デメリットに細かく触れる
1から9のデメリットについて補足です。
この全ては、デメリットと捉えずビジネススキルの向上と捉えることができることは共通しています。この視点については省略します。それ以外のことを触れて行きます。
1.収入が安定しない
フリーランスをすることは新規ビジネスを立ち上げるようなものです。
フリーランスをしながら収益を安定させる方法を学びましょう。
2.仕事に関わる全てを自分で対応する必要がある
営業回りの仕事をプレイヤーとなりながら理解していきましょう。
自分の強みを理解してそれをどう売っていくかマーケティング力や営業力を身につけるチャンスです。
3.事務作業・確定申告を自分で対応する必要がある
事務周りの仕事をプレイヤーとなりながら理解して行きましょう。
ただ、この仕事に関しては外注サービスやアプリなどがいろいろあるので、理解にとどめ実際は任せてしまうのもありです。
4.孤独を感じる
でもフリーランスの立場からすると仕方ない部分が多いので、この感覚を超えられる他の何か作ることで解消して行きましょう。
例えば、仕事を超えたフリーランス仲間の人脈を作ったり、収入を増やすことで満足度を圧倒的に高めてしまうなどです。
5.有給休暇がない
正社員でないので諦めましょう。
ただ、有給休暇の仕組みを理解しつつ、フリーランスの環境で同じような仕組みを作っていくことで解消できます。
まずは、収入を有給の分、上げていくことは解消の近道です。
6.スキルが伸びない
その傾向を理解しつつ、あなたがどうしていくかマーケティング力を身につけるチャンスです。
同じような仕事をやり続けるか、新たな仕事に挑戦するかはあなたの方針次第です。
7.体調管理・スケジュールが大変
ただ、一人でやっているので自分が倒れてしまったら収入がなくなってしまうのでフリーランスは特に大事にする必要はあります。
正社員時代に身につけているものもあると思いますので、さらに磨いて行きましょう。
8.自分でモチベーション管理が必要
仕事と収入が直結するところ見えてくるとモチベーションは勝手に上がって行きます。
9.不景気に弱い
どちらにしても、その肌感を養い、敏感に察知する力を身につけておく必要があります。
フリーランスネットワークで情報交換するなどアンテナを立てて行きましょう。
10.社会的信用が低くなる
11.健康保険の対象が少なくなる
12.年金が少なくなる
フリーランスから正社員へ戻るのもあり
フリーランスのメリット・デメリットに触れてきましたが、見方を変えると正社員のメリット・デメリットになります。
もしフリーランスを始めている方で、本記事のフリーランスのメリット・デメリットがしっくり来なかった方もいるかもしれません。
その場合は、フリーランスから正社員に転職することを検討するのもありだと思います。
私が出会ってきたフリーランスの方は、契約形態に関して非常に柔軟な方が多く、フリーランスから正社員になられる方も結構いらっしゃいました。
フリーランスのメリット・デメリットを頭だけでなく経験から理解している人が正社員に戻ることはある意味最強な選択かもしれません。
最後に
ネットに書いてあるメリット・デメリットについて細かく触れてきました。
本記事を通して、私は改めて、フリーランスをすることを通して、「『ビジネスで生き残る力』を身につける」ということができることが最大のメリットと考えています。
「『ビジネスで生き残る力』を身につける」やり方は人それぞれです。
フリーランスや正社員も含めて、自分にとってどんな環境が一番良いのか今一度検討してみてください。
フリーランスなる方や現在フリーランスをやられている方は是非参考にしてください。