このような疑問をお持ちの方向けの記事にあります。
結婚、出産、育児はライフイベントの中でもインパクトが大きいです。将来のキャリア形成をして考えて行く上では、結構、出産、育児を視野に入れて行くのは当然の事です。
本記事では、以下2つを解説して行きます。
- 女性のキャリア相談が必要な背景
- フリーランス的キャリア形成のすすめ
フリーランスや転職希望者のキャリア相談を1000人以上実施してきた私から解説して行きます。
女性のキャリア相談が必要な背景
女性のキャリア相談が必要となって来ている背景について解説して行きます。
女性がキャリアを形成して行くで課題と言われていたのは以下の2つでした。
- 育児期における就業継続の困難の解消
- キャリア形成における男女差の解消
近年の日本の政策により女性のキャリア形成を取り巻く環境はかなり変わってきました。
女性のキャリア形成における変化①国の政策
2020年2月26日に内閣府男女共同参加局から発表された「女性のキャリア形成の課題」から見て行きます。
【女性のキャリア形成に関する近年の変化】
- 労働力人口の大幅な減少に伴い、女性活躍推進政策が国の政策、企業の人材戦略の両面から重要になる
- 大卒女性の採用を積極的に行う企業が増加している(例:工学などの理系女子に対する求人ニーズの拡大)
- 育児と仕事の両立支援策により出産・育児期の離職傾向が変化し、女性の企業定着が高まり、女性の能力発揮の重要が高まる
- 女性の管理職登用を進める企業が増え、徐々に女性管理職比率が上昇している
確かに変化は確実にして来ており、育児期における就業継続の割合についても、改善が見られているようです。ただし、変化のスピードは遅いため、加速するための政策がさらに必要になってきています。
女性のキャリア形成における変化②企業の対応
企業の対応としては、ダイバーシティ経営とワーク・ライフ・バランス、働き方改革のもと、国から要求された中でやれる事はやり切り印象であり、取り組みの勢いは鈍化傾向にあります。
さらに企業の対応を押し進めるための課題は以下の5つが挙げられています。
- 課題①:企業における女性活躍推進策の継続的な実施
- 課題②:両立*女性活躍の重要性
- 課題③:女性に偏在する家庭的責任の問題
- 課題④:「男性型」の働き方・キャリア形成の見直し
- 課題⑤:ハラスメントの根絶
確かに、企業側としての課題であり、女性のキャリア形成する中で、企業側の後押しは重要である事は間違い無いです。
女性がキャリアを形成して行くで課題である「育児期における就業継続の困難の解消」「キャリア形成における男女差の解消」を少しでも解消するために個人側としてやれる事はいないのでしょうか。
女性のキャリア形成について個人で考える
企業の対応を待たずに個人としてもキャリア形成についてしっかり考えておく事は必要になります。企業の対応を進めるための課題の中で、個人としてのキャリア形成を意識すべきヒントが挙げられています。
【課題④:「男性型」の働き方・キャリア形成の見直し】において、従来の男性型の働き方をスタンダードにしない働き方のモデルが必要であり、限定正社員という考え方は方向性の1つであると述べられています。
ここで「限定正社員」を「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」の違いから解説します。
「メンバーシップ型雇用」とは職種や勤務地を限定しないので、基本的に企業の都合により配置転換が自由に行える従来から日本企業が多く取り入れている働き方になります。簡単に言うと、人に仕事を割り当てる雇用のことです。「ジョブ型雇用」とは、自分自身の専門スキルを活かして職種や勤務地を選べる、欧米などで広く取り入れている働き方になります。簡単に言うと、仕事を人に割り当てる雇用のことです。日本ではこの働き方を限定正社員とも呼びます。
日本企業は「メンバーシップ型雇用」を多く取り入れているため、「メンバーシップ型雇用」が日本の働き方の前提のままだとすると、「ジョブ型雇用」と言う『専門スキルを活かす仕事』という本来の意味が『限定的な領域のみの仕事』という意味にすり替えられ、女性の働き方として、棲み分けが出来てしまう事は注意が必要との指摘はあります。ただ、「ジョブ型雇用」で本来求められる『専門スキルを活かす仕事』というのは、女性のキャリア形成のための1つの方向性である事は間違い無いようです。
実際、【課題④「男性型」の働き方・キャリア形成の見直し】では『女性に関しては20代の初期キャリア(結婚・出産前のキャリア)が重要である点を重視すべきである』とも述べられています。20代のうちに、多様な働き方をするために、『専門スキル活かす仕事』が出来る様に専門性を身に付ける必要があります。
女性にとって初期キャリアにどんな専門性を身につけるべきなのかは非常に難しい選択になります。また、社会人経験があり、キャリアをある程度積んではいるが、将来『専門スキルを活かす仕事』が出来るまで、専門性が身についているか不安な方も多いと思います。
以上の背景から女性のキャリア相談の必要性が高まってきています。
フリーランス的キャリア形成のすすめ
女性のキャリア形成は初期キャリアが重要であり、将来『専門スキルを活かす仕事』が出来るように進めていかなければならず、非常に選択を早くから迫られます。では、専門性という切り口でキャリアを考える上で、実際どうすれば良いのでしょうか?
私からおすすめする考え方の1つとして、「フリーランス的キャリア形成」についてお伝えします。
フリーランス的キャリア形成とは
フリーランス目指すプロセスを進むながらキャリア形成をして行くことを意味します。
ここでフリーランスについて触れて行きます。
このブログでは、フリーランスとは
のことを指します。
実際にフリーランスを目指しながらキャリア形成を考えて行くと、フリーランスとして「雇用関係によらない働き方」で「自らのスキルで対価を得る」ために自らのスキルを高めて行く必要があります。自らのスキルを高めて行くことで必然的に専門スキルが見えてくるため、女性のキャリア形成の方向性とも合致することになります。
フリーランスを目指すことで、フリーランスとしてやって行けるまでのレベルになっていれば、そのまま、フリーランスとして働くことも可能です。フリーランスを目指したのですが、フリーランスとしてやって行けるほどまでのレベルになっていない場合でも、他の人に比べ、専門スキルを身につける行動は起こしているので、正社員としても「ジョブ型雇用」のチャンスも生まれるはずです。また、ポジションや働き方を会社がしっかり用意してくれたりした場合は「メンバーシップ型雇用」を検討しても良いと思います。
フリーランス的キャリア形成をして行くことは、将来の働き方の選択肢が増えることが非常にメリットになります。また、フリーランスに近い働き方ができるようになれば、将来の働き方についても自分の要望をベースに交渉しやすくなります。
ただし、フリーランスは、スキルを活かすという点では「ジョブ型雇用」に似ていますが、契約形態が、会社と雇用形態はなく、業務委託契約になりますのでリスクが全く違う事は注意が必要です。
フリーランスについては、こちらを参考にしてください。
フリーランスのメリット・デメリットは、こちらを参考にしてください。
自分の今までのキャリアと向き合う
フリーランス的キャリア形成のするためには、どの方向性に進めば良いのか、ご自身の現在地をしっかり理解する必要があります。
そのためには、自己分析をする必要があります。
自己分析は、次の手順で行います。※以下では非常に簡略化にしています。詳しいやり方はこちら
- 職歴を中心に、過去の経験を全て書き出します。
- 書き出したものをグルーピングして分析します。
- 共通するものから自分の強みを把握します。
強みを把握し、方向性を見定めましょう。
専門スキルを身につける方法
専門スキルはどのように身につければ良いのでしょうか?3つ具体的方法を解説して行きます。
副業系フリーランスとして第一歩を踏む
フリーランスとしての第一歩を踏み出してしまうのが、一番早いです。フリーランスの中でおすすめなのが副業系フリーランスになります。
副業系フリーランスとは
を指します。
副業系フリーランスは、ハードルが低く、リスクもある程度低く考えられるため、フリーランス的キャリア形成の第一歩としてはおすすめです。自分のスキルが副業という市場でどう評価を受けるのかを見極めながら、様々なチャレンジをしつつ、フリーランスとして何をやって行くべきかを決める場合などは非常にマッチしているやり方になります。
フリーランス(副業系フリーランス)については、こちらを参考にしてください。
実務経験と資格取得で専門性を高める
実務経験を積んだ領域の資格を取得しておく事は専門スキルと身につける1つの方法です。
ただし、注意したいのは資格は実務経験とセットという事です。実務経験がない資格をどんなに多く持っていたとしても専門スキルが高まっているとは言えません。例えば、簿記1級を取得されていたとしても、経理実務の経験が全くなければ、経理領域の仕事は任せられません。フリーランスの世界では当たり前です。
一方、実務経験があった上で、資格があれば最強です。専門スキルが身についていると判断されます。例えば、経理領域の仕事経験が豊富で、特に連結決算が強みであり、簿記1級も取得しているとなれば、お願いされる仕事は多いです。フリーランスとしても社員代替的な仕事はあるかもしれません。
転職の資格については、こちらを参考にしてください。
掛け算のスキルをで希少性を高める
専門スキルとは少し違いますが、スキルの掛け算で希少性を高めるという方向性を進むのも1つの選択です。
具体的には、例えば営業としてのスキルを持っている人は沢山おり、その中でトップに行くには相当の大変です。ただし、少しITに詳しく営業が使うシステムのことが非常に詳しく、また、ベンチャー企業での導入経験があるとなると、かなり希少性は高まります。
「営業」×「システム」×「ベンチャー」
このように掛け算で希少性を高め、専門スキルとしてニーズがあるスキルに負けないような掛け算のスキルでキャリアを形成して行きます。
この場合のキャリア形成をする上での注意点ですが、自分の掛け算のスキルが市場にニーズがしっかりある事は必要なので、市場の情報をしっかりインプットし続ける事は必要になります。
最後に
女性のキャリア相談について解説して来ました。
女性にとって、結婚、出産、育児を視野に入れると、初期キャリアの形成が非常に重要なのは理解ができます。
様々なライフイベントの中で、女性にとってキャリア形成が唯一コントロールができる事だという指摘もあります。ただ、本記事で解説した通り、女性が置かれている現状において、キャリア形成をして行くためには外的要因が多く難しい事も事実です。
難しい選択を迫られることになりますので、選択するためにできるだけの情報収集をする上で、キャリア相談は非常におすすめです。また、それ以外でも、先輩や知人から聞くのも良いと思います。転職活動で会社に直接聞いてみるのも良いでしょう。できる限り有用となる情報を集めてみてください。
キャリア形成で良い選択ができるように、本記事をぜひ参考にしてみてください。