転職でのキャリアプラン【会社が確認する3つの視点への対策】

転職面接でキャリアプランについて聞かれることがあるそうですが、どのような対策をすればよいのでしょうか?

こんな疑問をお持ちの方に向けての記事になります。

転職面接のためではなくキャリア形成をしていく中で、キャリアプランは本来必要です。ただ、多くの人が明確なキャリアプランを持っていないような印象を私は持っています。

将来がますます見えづらい現状で自分のキャリアプランは立てづらくなりつつありのではないでしょうか。

この記事は、キャリアプランについて考えることが非常に難しいと考えている中で転職をする必要がある方をイメージして書いています。

フリーランスをはじめとした方々に対してキャリア相談を1000人以上実施した私の経験から、転職を視野に入れたキャリア相談での実際にしているアドバイスやキャリアプランの立て方の実例をあげながら解説して行きます。

転職でのキャリアプランの意味を知る

転職でのキャリアプランはどのくらい必要なものなのでしょうか。なぜ、面接で聞かれるのでしょうか。

会社が確認したいことと求職者が準備することでのメリットについてそれぞれ解説していきます。

会社が確認したいこと

会社が確認したいことについて、結論を先に言うと、質問のされ方は違うかもしれませんが、転職面接には必ず聞かれます。そのため必須と考えて良いでしょう。

具体的に会社が求職者のキャリアプランを聞くことで次の3つを確認しています。

確認1(会社の採用方針とマッチしているか?)

会社の採用方針と転職希望者の会社に求めていることの方向性がマッチしているのかを確認しています。

会社が必要とする人材は、会社の成長の過程で、それぞれ異なっています。それに伴い、採用方針も変わっていくものです。

一方、転職希望者は転職先として自分が活躍できる事を想定をして、自らの強みなどをアピールしてくるはずです。

転職希望者の想定と会社の今時点の採用方針にズレが生じる場合は、例え縁があって入社してもらったとしても双方にとって不幸なことしか起こりえません。

オペレーションをしっかり構築して事業を大きくすることが得意な人が、違う環境で自分の特性を活かすために転職してきたにも関わらず、経験が全く無い新規事業を会社が任せてしまったら、意向と異なることで良い結果は生まれません。

会社は不幸を起こさないためにも事前に確認をするのです。

確認2(具体的な目標を設定する能力があるか?)

目標設定がしっかり出来るのかを確認しています。

キャリアプランを描くためには準備が必要になります。まずは、自分の現状を把握するための自己分析をした上で、3年後、5年後、10年後の思い描く将来像をイメージして、将来から逆算しながらキャリアプランを作っていきます。

このスキルは仕事をする上でも必須です。会社の求める数字に対して自分の目標を設定して、それを逆算しながら日々の業務に落とし込む。このスキルを持っているならばセルフマネージメント力はあると判断できます。

会社はビジネスマンとしてどのくらいのレベルのスキルを持っているのかを事前に確認するのです。

確認3(目標に対する実行力があるか?)

設定した目標を達成するための実行力を確認しています。

キャリアプランを描くだけでは、正直誰でも描けます。重要なのは、現状の自分から実行可能性の高いキャリアプランを描くことです。つまり、自分が現実的に目指せるであろう3年後、5年後、10年後の将来像を設定出来ないと意味がありません。

実行可能性が高いキャリアプランであれば、実際に実行が出来ているはずです。

会社は確認2と同様、ビジネスマンとしてどのくらいのレベルのスキルを持っているのかを事前に確認するのです。

求職者が準備するメリット

求職者にとって、キャリアプランを作るために準備をするメリットは、自分軸が明確になるということです。これ1点のみですが、非常に転職活動をする上で強力なメリットになります。

自分軸とは、自分にとって何が必要なのかの判断基準のことです。キャリアプランを作るために、自己分析や3年後、5年後、10年後の将来像を思い描いて準備をしていきます。その中で、将来像に進むために現状の自分から何が必要なのかが明確になります。つまり自分軸が明確になるのです。

転職の際は、ネットなどで様々な転職に関する情報が飛び交っていますが、自分に必要な情報のみを選択できるため、惑わされずに進むことが出来ます。

また、転職でのメリットも大きいですが、転職以外の現職での仕事にもメリットは生じます。

自分軸が明確なため、会社や環境に振り回されなくなります。仕事を行う上で自分の成長のために何をしなければ選ぶことができ、自分の成長がなくなれば転職を検討することになります。つまり最適な転職のタイミングを図りやすくなるのも大きなメリットと言えます。

転職でのキャリアプランを作る

キャリアプランをしっかり作り込もうとすると結構大変な作業になります。そのため、ここでは転職に特化したキャリアプランの作り方を解説していきます。

キャリアプランを作るための前提

自己分析を実施して、何となくではあるが次にやりたいことがぼんやりとイメージできている状態であることは必須になります。

転職に特化しているとは言え、これから作るキャリアプランは転職の面接で自分が話さなければならない内容になります。そのため、最低限でも現時点の自分の状態を把握すべく、自分のスキルの棚卸しは実施済みで、自分の強みなどを把握している状態であることは大前提になります。

この事前準備は転職活動する上でも必ず必要なことなので、ここは頑張ってやっていきましょう。

自己分析について詳しくはこちらを参照してください。

会社が確認する3つの視点への対策

それぞれの対策について解説していきます。

対策については、それぞれの会社について個別の対応になってしまいますので、初めは大変かもしれません。ただ、繰り繰り返していくと何パターンかの型が出来てきます。そうなれば、使い回しが出来て、個別の対応は微調整で問題なくなります。

確認1(会社の採用方針とマッチしているか?)について

志望動機と内容は同じで問題ありません。

志望動機は、ホームページ等にある会社から発信されている情報をなるべく多く読み、自身の志望と合わせて作って行きます。

一方、確認1を意識したキャリアプランも、会社の採用方針が分かっていれば合わせられますが、外部からの把握は難しいです。辛うじて会社の成長段階やホームページ等で発信している情報をもとに予測するぐらいしか方法はありえません。

転職の対策に特化して考えるならば、情報元が同じの志望動機と整合性が取れていれば大きく外れることは無いです。

確認2(具体的な目標を設定する能力があるか?)について

転職先の会社に入社した時の将来の役職をイメージします。

ホームページなどで先輩社員のインタビューがあったら、参考にしてみましょう。転職先に限定しなくても似たような会社のインタビューでも構いません。

インタビューを読んでみて良いなと感じたり、似ているような経歴を自分も持っていたり、同じような考え方を持っていたら、どんどん参考にしていきましょう。その人を目標自体に設定してしまっても良いと思います。

転職先に入社できたとしたらどんな事をやってどういう人になりたいのか出来るだけ具体的にしてみて、目標を設定をしていきましょう。

確認3(目標に対する実行力があるか?)について

目標を立てたら今すぐ出来ることをやって行きましょう。

目標設定が具体的な人物をイメージしたなら、その人が本を書いていたらネットで買ってすぐさま読んでみましょう。記事があったら読み漁りましょう。動画を見ても良いです。

目標を達成するためにスキルアップが必要だったら、本などを利用してインプットをして行きましょう。インプットしたことをアウトプットまで繋げる事が重要です。現職の仕事において、インプットしたことがアウトプット出来るところがあれば探して実際やってしまいましょう。ここまでやると転職時に成果としてアピール出来ます。

目標に対する実行力をアピールするためには、実際に仕事で成果を出せれば一番説得力があります。

転職でのキャリアプランと類似の質問

具体例を3つあげます。

  • 5年後、10年後はどうなっていたいですか?
  • 将来お夢はなんですか?
  • 入社後、どのような活躍をしていきたいですか?

全部確認したいことは3つと一緒です。キャリアプランで用意した同様のものを回答すれば、問題ありません。

転職でのキャリアプラン実例

各情報を踏まえてどのようにキャリアプランを作っていくのか具体例をしてしていきます。

会社からの情報

※全て架空の情報です。

参考になりそうな情報は太字にしてあります。

会社理念

  • ミッション挑戦からお客様の幸せを切り開く
  • ビジョン:成功のための失敗が当たり前の会社に
  • バリュー:一歩前に!

応募条件

  • 経験・スキル
    開発経験3年以上(言語は問わない)
    開発チームのリーダー経験
  •  歓迎条件
    プロジェクト管理経験がある方
    PMO経験がある方
    ITコンサルタントに興味ある方大歓迎

先輩社員のインタビュー

入社して7年目になります。

現在は、お客様のECサイトの刷新プロジェクトのPMOを担当しています。

具体的には、ECサイトを刷新させるためにプロジェクトが円滑に進むように支援したり、お客様のECサイト刷新のための要件をまとめた上でシステム開発会社に開発をお願いするような役割を担当しています。

大学時代から情報系の学部に在籍していたため、プログラミングは結構やり込んでいました。独立したい気持ちが強かったのですが、まずは、社会人経験が必要と考え、実務経験がいち早く積むことが出来る小規模のソフトウェア会社に入社しました。Webシステムの開発を担当するシステムエンジニアで、5年が経過した後、フリーランスとして独立をしました。

フリーランスでは主に開発案件に参画していました。メンバーからチームを任されることも多くなり、自然とリーダーとして役割での参画がほとんどになっていました。

フリーランスの4年目くらいの時に転機が訪れました。コンサルファームの案件にて開発工程ではなく、プロジェクト管理がメインの役割で初めて参画しました。そのプロジェクトを皮切りに、要件定義など上流工程の案件への参画が多くなり、プロジェクト全体を円滑に進めるためのPMOとしての役割での参画も多くなってきました。もともと、人とコミュニケーションが好きだったので、多くの方と調整業務などをさせてもらう中で、自分の強みも活かすことが出来たと思っています。

また、この頃から、フリーランスでは開発の案件に参画しつつ、友人とアプリを企画・設計して開発を自分が担当してリリースさせることにも挑戦していました。占いのアプリは結構な数、ダウンロードをしてもらいました。

フリーランス生活が長くなるにつれて、フリーランスという働き方にはメリットも多くありますが、案件に安定的に入れないというリスクなどのデメリットもまだまだあると感じるようになってきました。そんなフリーランスを応援する取り組みをしたいと漠然と友人と話していた時に、今の会社を紹介して入社した経緯があります。

今は、プロジェクトに2つ並行して参画しながら、フリーランスのプラットフォームとなるようなフリーランスの案件のマッチングアプリの開発を会社のメンバーと行っています。既にアプリはリリースしており、徐々にユーザーが広がっていく中で、その時々に生じる課題を解決しています。

この仕事はフリーランスのネットワークがあるので、アプリ開発において、少し大きめの課題が生じた場合には、その解決のために必要となる専門性を持ったフリーランスの方に、相談を良くしています。結構弊社の経営理念に賛同してくれる方が多く本当に気軽に相談出来ます。その道のプロならではの解決策を提案してくれて、私としても、非常に刺激的な毎日を送れています。

その道のプロと仕事が出来る可能性が広がっている会社ですので、プロフェッショナルを目指すなら、是非、一緒に仕事をしましょう。

志望動機

志望動機については以下のような項目ごとに説明していけばよいです。。ここではフルバージョンを示します。回答に時間がない場合は「志望理由」を中心に「会社に興味を持った理由」あたりを伝えれば大丈夫です。

会社からの情報で気になるキーワードと当たるところを太字にしています。

  • 現職での担当業務
    現在はWEBシステムシステム開発のプログラマーを3年ほど経験しています。言語はPHPがメインです
  • 詳細説明(現職での担当業務)
    一通りプログラマーの経験を積み、現在はメンバーは2,3人ですがチームリーダーを任されています。また開発の工程も要件定義はサポートが中心ですが、基本設計からは携わらせてもらっています。
  • 現職での問題点
    プログラムも好きなのですが、メンバーのマネジメントや上流工程に携わることが面白くなりつつあります。
    自分の現場は非常に特殊なケースで、会社全体としては上流工程の案件が得意というわけではありません。また、参画している案件もそこまで長く続きそうもないような雲行きになってきました。
  • 会社に興味を持った理由
    将来的にフリーランスもやってみたいと思い、フリーランスが参加しているもくもく会に参加しており具体的な話を聞いているうちに御社の名前が聞き関心を持ちました。
    自分はもともと人生一度きりなので、何事にも挑戦することをしてきました。
    御社の経営理念を拝見した時にこんな自分のような会社があるのかと非常に衝撃が走りました。
  • 志望理由
    現職の今の案件で成長出来る限りを尽くした上で、御社の上流工程の案件に参画して貢献できる力をいち早く身につけたいと考えています。
    また、わずかながらでもフリーランスのネットワークがありますので、フリーランスへの具体的な支援方法についても私のネットワークが活かせれば考えています。

キャリアプラン

キャリアプランについても項目ごとに説明すれば良いです。全て志望動機の内容を参考にすれば出来ます。「会社に入ってやりたいこと」に関しては、『志望動機』の[志望理由]と一緒になります。内容は微妙に変えても良いですが、しっかり整合性を取るように意識しましょう。

会社からの情報で気になるキーワードと当たるところを太字にしています。

  • 今の自分について
    もともと何事にも挑戦する姿勢でキャリアを形成してきました。
    その姿勢の中で現職にてメンバーのマネジメントや上流工程へ関わることで興味が増して来ています。
    ただ、現職では挑戦する場が限られてしまっているので、現状、転職活動をしています。
  • 10年後の自分について
    挑戦を重ねていく先に、フリーランスというものがあると思っています。
    10年後にはフリーランスは経験していたいと考えております。
    ただ、現状、どんな選択肢があるかもわかりませんので、今個人的に関係を持っているネットワークよりも更に強いものを持って、自分にとっての選択肢を広げていきたいと考えています。
  • 会社に入ってやりたいこと(=『志望動機』の[志望理由])
    現職の今の案件で成長出来る限りを尽くした上で、御社の上流工程の案件に参画して貢献できる力をいち早く身につけたいと考えています。
    また、わずかながらでもフリーランスのネットワークがありますので、フリーランスへの具体的な支援方法についても私のネットワークが活かせれば考えています。
  • 現在やっていること
    プロジェクト管理の勉強をしています。今の現場ではアジャイル開発の考え方が取り入れられているので、全体感を勉強しつつ、実務で取り入れられることは、実際にやってみて検証するような形をとっています。
    また、フリーランスのネットワークについては、引き続き、もくもく会や交流会に出来るだけ参加するようにしています。参加するだけなく興味を持った人には個別で飲みに行ったり、分からないことを聞いたりして、関係値を深めるような形をとっています。

まとめ

転職でのキャリアプランについて解説してきました。

本来、キャリアプランはじっくり時間をかけても構わないので、ご自身が納得するものを準備するのが望ましいです。その方が、様々なメリットがあります。

そのため、転職で必ず必要となるので、本記事は裏技的に考えていただければと思います。ただ、裏技的なやり方になりますが、キャリアプランを立てられないとお悩みの方にとっては、まずは作ってみることで、見えてくることもあると思います。

案外、突貫で作成したにもかかわらず、そこまで本来のキャリアプランと遠くない事も多いです。

キャリアプランの作り方の一つの方法と考えていただいても良いかもしれません。

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