現実的なキャリアプランの書き方【走りながら考えるがおすすめ】

  • 2020年12月14日
  • 2020年12月15日
  • キャリア
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キャリアプランがなかなか書けないのですが、どうすれば良いでしょうか?

こんな疑問をお持ちの方に向けての記事になります。

転職活動に必要なキャリアプランについて悩まれる方も多いですが、転職活動とはまた別に純粋にキャリアを考えていく上でのキャリアプランの書き方についても悩まれている方は多いようです。

転職活動では転職することを目指されるため、期限を決めて準備をして行く必要がありますが、制約が無いとなると、どこから手を付けたら良いのかすら、わからなくなってしまうのは理解できます。

そこで、キャリアプランの書き方について解説していきます。

フリーランスをはじめとした方々に対してキャリア相談を1000人以上実施した私の経験から解説して行きます。

転職活動に必要なキャリアプランについてはこちら

現実的なキャリアプランの書き方

直ぐに行動に移せるキャリアプランについて結論からお伝えします。

走りながら考えるのがおすすめ

キャリアプランは今の自分を理解して3年後、5年後、10年後の将来の理想像を描き、それに近づくためのやり方を考えることになります。

キャリアプランを立てること自体は非常に有用であり、その後キャリアを進めていく上で、無駄なく進めることが出来るというメリットを考えると作成することを強くおすすめします。

ただ、そのプロセスを本来の順番通りやるとなると、ハードルが相当高くなります。

ある程度経験がないと考えることすら難しくので、考え出してしまうと、行動に繋がらず、行動がストップしてしまう恐れがあります。

キャリアプランの作成のため、行動量が落ちすぎてしまう状態は避けたいので、今直ぐに完成形を求めなくても構わないです。

とりあえず、走ってしまってから考えるのがおすすめです。まさに、走りながら考えていきましょう。

その場合は、1ヶ月くらいで目指せる短期的な目標を置き、その達成に向かってやってみるのが良いです。

短期的な目標の設定と達成を数回繰り返せば、僅かではありますが、目標達成の経験が得られます。その経験から将来の理想像とそれに近づくためのやり方も考えやすくなるはずです。

長期的な目標であるキャリアプランを本格的に立てるのは、それからで問題ありません。

現状の自分の理解は必須

走りながら考える事をおすすめしましたが、そのために、現状の自分を理解することは必要です。つまり、自己分析は必須になります。

目標設定は、今の自分と比べてこうなっていたいとか、今までとは違う新たな自分に挑戦したいと言ったように、現状の自分から考えることになります。

そのため、自己分析が出来ていないと、目標の設定がブレブレになる可能性があります。

短期的な目標ですら、何を目標にすればよいか分からない状態になったり、到底見当違いの目標を立ててしまったりして、その期間を有効に過ごせなくなってしまいます。

行動することは非常に大事ですが、自己分析が出来てないと、全くのゼロ状態から行動をしなければならず、どこに向かえばよいか不安であり、その状態で行動を継続していくは非常に疲れます。

今までの自分としっかり向き合い、今までの自分と繋がるゼロではない状態から行動を起こしていくことで、将来の理想像やそれに近づくためのやり方も見つけやすくなるはずです。

今までの経験を全て棚卸しして、自分の経験の傾向を把握しつつ、自分の強みと言えるスキルを整理して行きましょう。

自分の理解を深めるために、例えば、自己分析後に、短期的な目標を立てる時に、今まで意識していなかった自分の強みと言えるスキルを改めて意識して仕事することも有効です。

自分の強みと言えるスキルに自信を持つために、検証する事自体を目標にして、検証し切ることで、目標達成の経験は十分に得られます。

詳しい自己分析のやり方についてはこちら

将来の理想像は人それぞれ

キャリアプランにおける将来の理想像は人それぞれです。

一例をあげると次のようなものがあります。

  • 大企業で出世する
  • 起業して会社を上場させる
  • 地方に移住して地方創生に携わる
  • フリーランスになる
  • 早期リタイヤする

その将来の理想像に近づくためのやり方も様々です。

現状の自分の立ち位置も人それぞれなので、近づくためのやり方も様々なのは当たり前です。

また、キャリアプランを立てて将来の理想像を目指してみたけれども、自分の環境、スキル、価値観が変わることで、目指すものも違ってくる事も十分にあり得ます。

何が正解なのかすらも、本人しか分かりませんので、その時々で、将来の理想像を柔軟に変えることは全然問題ありません。

ただ、注意点があります。

将来の理想像を変える前に、それまで目標としていた将来の理想像にどこまで全力で向き合っていたかが重要です。

中途半端な状態で理想像を変えしまうと、未練が残ったりして、次の将来の理想像を100%目指せない原因になってしまいます。

やれることをすべてやってみたが、キャリアプラン通りの期間での達成が難しかったり、そもそも向いてないことが分かったりすることはあります。

それは、やりきった上での結論なので、自分に取っては非常に価値があることであり、前向きな判断と言えます。

それまでの目標に対してやりきっているかは、自問自答する必要があります。

一般的なキャリアプランについて

一般的なキャリアプランについて少し触れていきたいと思います。

キャリアプランとは

厚生労働省が用意しているジョブ・カード制度という転職に向けた個人支援の一環として用意している制度の中で、以下のように述べられています。

キャリア・プランとは3年後、5年後、10年後、さらに生涯といったスパンで仕事に関する目標を設定し、そこに至るにはどのようなキャリアを積み上げていくかを考えた計画のことです。

引用:ジョブ・カード制度(厚生労働省)

ここで言う「キャリア」とは単純に『仕事の経験』と考えて良いです。

3年後、5年後、10年後だけでなく生涯のスパンでの仕事に関する目標に向けての計画という長期的な目標であることがわかります。

キャリアプランの書き方

キャリアプランは次の3つの手順で書いていきます。

  1. 現状の自分を理解する
  2. 将来の理想像を描く
  3. ①の自分が②に近づくためのやり方を考える

①現状の自分を理解する

自己分析をして現時点の自分を知ります。

しっかり自分の価値観や仕事に対する考え方と向き合います。

自分の価値観や仕事に対する考え方に関しても、言語化をしっかりするところまで向き合います。

頭の中だけでなくしっかりアウトプットすることで理解が深まります。

自分を理解することで、キャリアプランにおける自分のスタート時点を設定することが出来ます。

②将来の理想像を描く

自分が目指す将来の理想像を考えていきます。

キャリアプランとは生涯までというかなり長期なものを本来は指しますが、そこまで考えると厳しいので、まずは10年後を最長の期間として考えてみます。

具体的であればあるほど良いです。

ここでは現時点の立ち位置とかは一旦度外視していきます。

将来の理想像が描ければ、それに近づくために最短で作成したキャリアプランを進めることが出来る可能性が高まります。

どうしても考えられないという場合は、後述のキャリアプランの考え方を参考にしてみてください。

③①の自分が②に近づくためのやり方を考える

①と②を見比べて、どうすれば①の自分が②になれるのかを考えていきます。

この2つの間にあるギャップを知ることでより具体的な方法を探ることが可能になります。

自分の手駒は①の自分で知ったことしかありません。

その手駒と新たに得なければならない手駒のことを考えて、出来る限り最短で近づけるやり方を考えていきます。

2つのギャップを知って、②が現実からかけ離れているということに気づくこともあると思います。

そうしたら②をもう一度やり直してください。

その後の行動としては、この考えたやり方を実践すればいいだけです。

それによって自分が考えた最短の道のりで②に近づくことが出来るはずです。

キャリアプランの考え方

キャリアプランには3つの考え方があります。

  • 自分がなりたいものが明確な場合
  • 自分の強みを活かして行きたい場合
  • 自分が求められることに応えていきたい場合

自分がなりたいものが明確な場合

具体的な将来の理想像が描けている場合になります。

将来の理想像という最上位の目標から、トップダウン的に目標を細分化していき、細分化した目標を達成するやり方を考えながら、最上位の目標を達成するという考え方になります。

将来の理想像が明確で、その達成についてかなりの強い思いがあれば良いですが、理想と現実の乖離から、上手く行動に移せない可能性がありますので注意が必要です。

自分の強みを活かして行きたい場合

将来の理想像は描けていないが、自分の強みで勝負して行く事を決めた場合になります。

自己分析により、今の立ち位置を明確にして、自分の強みを理解しつつ、その強みを磨き上げていきながら、ボトムアップ的に最上位の目標を設定して行く考え方になります。

完全にボトムアップからのみを考え、最上位の目標を設定しないと、自分の強みを活かしていくというスタンスではありますが、結構無駄な行動に繋がる可能性もあります。

そのため、定期的にその時点の将来の理想像で構わないので、最上位の目標を設定して行く必要があるという点に注意が必要です。

自分が求められることに応えていきたい場合

周りから自分が求められていることに特化してそれに応えてくと決めた場合になります。

将来の理想像が描けておらず、さらに自分の強みもまだわからない場合に、ひとまず行動に繋げる一つの考え方になります。

自分が求められることを理解するためには、他人からの評価を元に、自己分析するのが良いです。

自分が何をやったら、感謝されたり褒められたりしたのかを思い返してみると結構共通点が見つかり、自分が求められている事も見えてくるはずです。

それでも分からなかったら、周りの人に直接聞いてしまうのも一つのやり方です。

自分の求められる事に応えていく事に関しても、効率的にキャリアを積んでいくためには、最終的な最上位の目標設定は必要です。

そのため、自分の強みを活かして行きたい場合と同様ですが、定期的にその時点の将来の理想像で構わないので、最上位の目標を設定して行く必要があることが注意する点になります。

具体的キャリアプランについて

ここでは、具体的にエンジニア職のキャリアプランについて見て行きます。

エンジニアはプログラマーとしてキャリアを3年から5年程度経験を積んでから、道が大きく分かれることが多いです。

  • プログラマーととしての専門性を高めていくか
  • 管理系の仕事の比重を増やしていくか

のどちらかになります。

プログラマーととしての専門性を高めていくか

プログラマーとして専門性を高めていくと決意した場合に、3年から5年後で選択を迫られるタイミングが訪れます。

その選択により10年後の理想像も見えてくると思います。

私が考える一例を示していきます。

キャリアをスタートして3年から5年後

チームリーダーから始まりプロジェクトリーダーとなり、メンバーの面倒を見ることが多くなります。

プログラムも自分で書くこともしますが、どちらかと言うとメンバーのレビューなどに当てる時間の方が多くなる傾向にあります。

そのため、管理系の仕事よりもプログラマーとして純粋に開発の仕事だけをやっていくためには、ログラマーとしての開発の仕事を優遇する会社に転職するか、フリーランスになるか、起業するかの選択肢になります。

一般的にSESをやられているような会社は、管理系の方が単価が高くなるため、この経験年数くらいでシフトをするように求められるので、自社開発をしているような会社に転職するのが良いです。

一方、フリーランスや独立した時は、自分の実力の度合いと営業のやり方に工夫は必要ですが、比較的多くの案件に携われます。

直接やり取りが出来るので収入も多くなる傾向にあります。

キャリアをスタートして10年後(転職した場合)

転職して、例えば、自社開発をしている会社に転職できた時のそれ以降のキャリアについてです。

こちらも実力の度合いによりますが、自社開発の新規サービスに初めから関わる事は難しい傾向にありますので、既存サービスのチームのメンバーからの関わりからスタートの場合が多いです。

そこから、実力を示しながら、新規サービスに携わり、最上流の工程からプロジェクトにから携われるようになることを目指します。

サービスの規模にもよりますが、規模が小さければプレイングマネージャーのように何でもやり、規模が大きければメンバーなどを管理しつつ、プロジェクトマネージャーのような役割も担うなど、様々な役割を経験出来るはずです。

その経験した先には、例えば、自分独自のサービスの立ち上げるために起業する姿も見えてくるかもしれません。

キャリアをスタートして10年後(フリーランスに転身した場合)

独立も含めてですが、フリーランスに転身した時のそれ以降のキャリアについてです。

こちらも自分の実力の度合いと営業のやり方に工夫は必要ですが、案件は多く、しかも単価も高めなものが多く、また、リモートワーク対応のみでも問題ないものもあります。

ただし、フリーランスの案件はなかなか新しいことに挑戦させてもらえないので、新しい技術をキャッチアップしていきたいと考えている場合は、工夫が必要になります。

挑戦させてもらえるために、新しい技術の案件をもっている会社さんと関係値を作っておくなどの営業活動は必要になります。

また、自己投資したり、自分でアプリ開発してみたり、専門性のブラッシュアップする方法を確立しておく必要があります。

そのようにレベルアップを図った先に、フリーランスとしての自分の目指すべき理想像が見えてくるかもしれません。

管理系の仕事の比重を増やしていくか

管理系の仕事の比率を増やしていくと決意した場合でも、3年から5年後位に選択を迫られるタイミングが訪れます。

その選択により10年後の理想像も見えてくると思います。

私が考える一例を示していきます。

キャリアをスタートして3年から5年後

通常エンジニアとして会社に属して、3年から5年経験すると必然的に会社からは管理系のの仕事を進められることになります。

その理由は、先にも述べましたが、一般的にSESのような案件の場合は、管理系の仕事のほうが単価が高くなる傾向にあるからです。

管理系の仕事をすると決意した場合は、チームリーダーから始まり、プロジェクトリーダーでメンバーなどを管理して、その後は、プロジェクトの更に上流工程に携わるようになるはずです。

そうなってくると開発をメインにやっているような会社は、そもそも上流工程を得意としていないため、自分が挑戦したいようなプロジェクトにアサインされる確率は低くなっていきます。

このタイイングで、より上流工程を得意とするような会社に転職することが望まれます。

このタイミングでの独立やフリーランスになることもありえますが、個人的にはあまりおすすめしません。

独立を含めたフリーランスになれば案件は多く単価も上がります。

ただ、その後でフリーランスとして上流工程に挑戦出来るような案件はほとんどないので、管理系の仕事の一部のみが出来るというキャリアで止まってしまいます。

ここは、少し我慢をして、上流工程のプロジェクトに出来るだけ携われる可能性の高い選択をするべきです。

キャリアをスタートして10年後

環境を変えたことで、プログラムと言う専門的な知識に加えて、プロジェクトの管理に必要な知識も求められるようになります。

また、多くの人を動かすマネジメント能力も更に高いものを求められ、さらに、ユーザーからの課題のヒアリングなども実施しなければならず、コミュニケーション能力も高いものが求められます。

非常に難しい仕事であることは間違いありません。

ただ、その難しい仕事の先には、PMO、PM、ITコンサルタントなどの具体的な職種が見えてくるかもしれません。

転職先には、コンサルタント会社を想定出来ますし、独立やフリーランスになったとしても、この職種でのフリーランスの案件も、この領域のものはそれなりに数は出回っています。

単価もそれなりに上がってきます。

4.まとめ

キャリアプランの書き方について解説してきました。

キャリアプランでの将来の理想像を今の時点で明確に描ける人はかなりの少人数だと思います。

それゆえ、将来の理想像を明確にするために、時間はどうしてもかかってしまいますが、あまり時間をかけて過ぎて考えてしまうのははもったいないと思います。

そのため本記事でも示した通り、自己分析だけしっかりして、あとは走りながら考えてみるというのがおすすめです。

仮置で構いませんので将来の理想像を設定して、行動することで、自己分析以外での自分に対する気づきも多いと思います。

その気づきは、自分に取って非常に価値のあるものなので、その気づきとともに、将来の理想像を修正することを前提にキャリアプランを作成してみてはいかがでしょうか。

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