こんな疑問をお持ちの方に向けての記事になります。
転職理由は、転職での面接で必ず聞かれます。
その時に「人間関係が上手く行かず、もっと自分にあう会社に転職したい」が本心で考える転職理由の場合、どこまで正直に伝えて良いのか迷われている方は多いようです。
本来、転職理由は正直に言って良いはずですが、自分の行なっている転職に臨む状態によって、対応が変わってきますので、その辺りを解説してきます。
フリーランスをはじめとした方々に対してキャリア相談を1000人以上実施した私の経験も含め解説して行きます。
正直ベースで回答して良いか?
自分の行なっている転職に臨む状態には、次の2つがあります。それぞれとその両者のギャップについても解説して行きます。
転職に臨む理想的な状態
転職に臨む際に理想的な状態というものがあります。それは、現職での自分がやれることは全てやりきっている上で転職に臨んでいる状態のことになります。
もう少し具体的に言うと、現状における自己分析により自分の理解が進んでおり、かつ、現職で目指すべき目標についても設定できるものは全てしており、その全てに挑戦が終わっている状態にあることになります。
つまり、さらなる挑戦の場を求めるために、転職を始めとする環境を変えることが求められている状態ということが言えます。
転職に臨む実際の状態
転職に臨む理想的な状態にたいして、転職に臨む実際の状態は人によって様々です。
あともう少しで理想的な状態になれる方も居れば、何を現職でやれているのか自分で意識できていない方もいらっしゃいます。
ただ、転職の相談をする中で、現状における自己分析を実施出来ている事も、そこまで多くないため、やれることをやりきるという意識を持って現職での仕事をしている方は少ないと言えると思います。
つまり、転職を始めとする環境を変えることに関しては、本来、少し慎重になった方が良いという状態ということが言えます。
理想と実際のギャップがどのくらいか?
両者のギャップがほぼ無い場合と、ある程度ある場合の2つを解説していきます。
理想のほぼイコールの状態
転職理由について正直ベースで回答しても問題ないです。
現職で自分でやれることは、すべてやりきれているはずですので、ネガティブな表現が出て来ようがありません。
もちろん、会社の課題を自ら見つけ出し、自分が解決するにはどうすればよいかという考えをしつつ、目標を設定して挑戦してきていると思います。
その中で、挑戦しても目標が達成できないことも当然としてあると思います。
目標達成が出来なかった場合でも、その理由を明確に振り替えつつ、自分が出来ることと出来ないことの線引をしっかりして、出来ることに関しては、自己成長が出来るように真摯に自分と向き合って来ているはずです。
自己成長しながら、会社の課題を探して、自分で出来ることとして、挑戦を繰り返すわけですから、非常に主体的な動きになります。
つまり、目標が達成できてないとしても、主体的な動きでその事を自分の中で解消していきますので、ネガティブな要素は全く生まれなくなります。
自分が何事も主体的に動けているならば、例え、伝え方がネガティブな要素を含んでしまっていても、他責にする事自体がないため、ネガティブな状態では伝わりません。
逆に、いろいろな経験をしているという深みと人間味があるという印象をあたえることさえ出来ます。
理想と実際にギャップがある状態
転職理由について正直ベースで回答するのは避けた方が良いです。
現職で、まだまだやれることがある中で、転職を考えられているので、自分ではどうしようも出来ないと考えている原因があるはずです。
その状態で、正直ベースで回答してしまうと、自分ではどうしようも出来ないと考えている原因のことを回答することになりますので、ネガティブな表現や相手によっては他責をする人なのかもという印象を与える可能性があります。
自分ではどうしようも出来ないと考えている原因をしっかり分析する必要があります。
まず、本当に自分にとって、どうしようも出来ない事だと分かったら、そこで考えても解決しようがありませんので、転職理由として回答したとしても良い印象は与えません。
例えば、会社の制度として終身雇用があれば、もっと安心して働けるので転職を考えている方が居たとしましょう。
しかし、現在、日本では、終身雇用は終焉を迎えつつあり、そう言った企業も少なくなってきています。
転職が上手く出来れば良いですが、転職理由とした場合に、正直にその事を回答して入社して欲しいとならないと思います。
自分ではどうすることも出来ない社会の流れの中で、無い物ねだりをしているだけの人という印象にしかなりません。
次に、自分でどうにか出来ることだったら、解決するために行動しながら、その状況をしっかり転職理由として伝えられることが求められます。
例えば、現職での人間関係が上手く行かないため、転職を考えている方が居たとしましょう。
人間関係を良くするため、また、良くしないまでも仕事を進める上で支障ないレベルまでの関係値となるために、何か取り組めないでしょうか?
人間関係については、相手を変えることは至難の業ですので、自分が変わっていろいろ試してみるしかありません。
考えられる取り組みがどのくらいあり、現状どれを実際やってみて、どのような結果となったかを含めて、転職理由を伝えると主体的に動ける人という印象を与えることが出来ます。
自分ではどうしようも出来ないと考えている原因をしっかり分析することで、自分でどうにか出来ることのみに絞り込み、解消できるように行動をして行くことで、理想と実際のギャップを埋めていくことが出来ます。
※この辺りのより理想へ近づく方法については、後ほど、詳しく解説していきます。(面接での転職理由はどうする?(根本的対応))
ただし、体に影響がある理由(例えばハラスメントを受けているとか、人間関係がこじれてしまって修復できない状態とかで、精神的にきついなどの理由)は直ぐにでも転職したほうが良いです。また、事前に転職時期を決めて会社との調整を始めてしまっている方もいらっしゃいます。
その場合は、理想と実際のギャップは埋まりにくいので、転職理由を正直ベースで回答してしまうと、ネガティブな状態で伝わるため、言い方や伝え方を変える必要があります。
面接での転職理由はどうする?(臨時的対応)
まず、面接での転職理由について臨時的対応の場合を解説して行きます。
臨時的対応の意味とは?
理想と実際にギャップがある状態ではあるが、転職を直ぐにでもしなければならない時に、実施する必要がある対応になります。
実際の状態で転職するため、転職理由がネガティブな状態で伝わる可能性が高いため、少し言い方や伝え方を臨時的に変える必要があります。
そのためには、採用担当が、転職理由を質問する意図を知る必要があります。
相手の意図を知ってから、自分の準備をしっかりしていきましょう。
採用担当が確認したいこと
2つの事を確認したくて転職理由を質問しています。
入社後に活躍できるのかイメージを持ちたい
この確認は、実は、採用におけるすべての質問に共通していると言えることです。
志望動機、自己PRも含めて、様々な角度からこの確認したいと思っています。
その中でも、転職理由については、現職でどんな働きぶりで、どんな考えで転職活動をする気になったのかを確認することで、その方の仕事に対する価値観などを探りながらイメージを膨らませています。
そのイメージから、自社での課題に対して、既存社員とともに、課題解決にどのように導いてくれるかさらに具体的にイメージを持ちたいと考えています。
また、仕事に対する価値観などから、自社の経営理念やビジョンとマッチしているかも確認して、中途社員ながらも職場環境にすっと溶け込めるかなども具体的にイメージしています。
同じ転職理由で退職しないか確認したい
この確認は、転職理由からしか聞けないので、皆さん高確率で質問してくると言えます。
例えば、転職理由で、「人間関係が上手く行かず、もっと自分にあう会社に転職したい」と何気なく回答すると、採用担当者は身構えます。
そのように回答された採用担当者は、自社でも人間関係が合わなければ、直ぐに辞めてしまう可能性の高い人なのかもしれないと思ってしまいます。
人間関係が上手く行かないということに対して、課題解決のための行動などについての説明がないので、課題に対して、主体的に動けない人かもしれないとか、環境のせいにする人、つまり、他責をする人かもしれないという印象を持たれてしまう可能性が高いです。
会社は個人一人一人が働きやすい環境を整えることも当然やってはくれますが、それにも限界があります。
会社に限界がある中で、主体的でなかったり、他責をする人という印象を持たれてしまうと同じ理由で自社も退職してしまうと思われ、一緒に働きたいという判断に至らなくなります。
具体的に臨時的対応について考える
以上のことから、主体的でなかったり、他責をする人という印象を持たれるというネガティブに聞こえてしまう状態を回避すれば良いことになります。
まず、正直ベースで構わないので、転職理由が現状どういったものかを知る必要があります。
その上で、内容がネガティブな状態となっている点を確認します。
ネガティブな状態があったならば、何故、その状態になってしまうのか考えてみましょう。
考えて、その原因が掴めたら、転職理由をもう一度作り直してください。
ここで、注意ですが、言葉尻だけを変更したものを暗記するような形で面接に臨んだとしても、多くの場合、採用担当者に本心でないことが伝わってしまいますので、一から新たに作り直してください。
その作り直す際の注意として、自分が転職を検討している会社の志望動機との一貫性があると良いと思います。
もっと言うと、職務経歴書全体に対しても、転職理由、志望動機との一貫性があるとベストになります。
人間関係が上手く行かず、もっと自分にあう会社に転職したい■ネガティブな状態の要素
職場環境がマッチしないとそもそも無理、自分でマッチするための行動が起こせないのではないか■原因の理解
仕事を進める中で、人間関係を重要視している傾向がある
コミュニケーションを取りながらチームとして仕事が出来ることへの重要度が高い傾向にある
■志望動機
チームワークを重要視しており、さらに将来的にはチームまとめるマネージャーとしての職位も自分のやる気次第で挑戦できると社風をホームページ感じ取れたので志望しました。
■転職理由の再考
仕事を進める上でコミュニケーションは重要であり、それは、チームで成果を上げるためにも重要だと考えている。
今の職場では、個人的に担当する仕事が多く、チームとして成果を出すという機会がなかった。
個人としても成果を上げる楽しさも知ることが出来たが、チームワークを活かして成果を上げるような仕事に挑戦して、そこで得られる楽しみも体感したいと思い転職を考えている。
面接での転職理由はどうする?(根本的対応)
次に、面接での転職理由について根本的対応の場合を解説して行きます。
根本的対応の意味とは
理想と実際のギャップがあり、すぐには転職を考えていないため、その両者のギャップを根本的に埋める事に時間をかけられる対応になります。
この根本的対応をする際に、転職活動を進めながらやって行くのもおすすめです。
選考プロセスの中で、採用担当者からのフィードバックはいただけるので、自分では分からなかった気づきも得られますし、ギャップを根本的に埋めるには非常に有効な手段になります。
ただ、当然、選考を受けるからには、会社側もコストをかけて時間を割いてくれるいるので、その時だけは、本気で転職する気持ちで準備や面接をしてくだい。
本気でやらないと折角の機会を無駄にしかねません。
具体的に根本的対応について考える
理想と実際のギャップを実際埋めるということは、つまり、主体的な行動を行い、そもそも他責となるような発想すらしない事になるので、根本的対応をして、正直ベースで転職理由を言えば良いことになります。
そのためには、まず、現状の自分を理解するために自己分析が必須となります。現時点で自分が何が出来るのかを把握するためにも必要になります。
次に、現職で自分が出来ることを挙げて行き、その先に達成できるであろう目標を設定していきます。
後は、その目標の達成に向かって、期限を切って徹底的に行動を起こすのみです。
期限が来たら実際やり来ているか振り返りましょう。
目標に向けて、十分やりきれていても、まだまだ、やりきれていないと思う部分があっても一度、振り返り、その次に新たな目標を設定しましょう。
この期限付きのやりきったことは全て職務経歴書に追加できます。
目標が達成出来ていれば分かりやすいですが、目標が達成できていないくても、そのプロセスを経験出来たことを十分アピールポイントになります。
随時追加していきましょう。
自分が出来ることに対して、新たに目標を設定して、その達成するために、やりきるために行動を起こすことの繰り返しをして行きます。
その全てが主体的な行動をすることになり、また、達成できたかどうかも自分の力量によるものになりますので、他責の発想すら出てこないはずです。
このサイクルを続けるうちに理想と実際のギャップは埋まっていきます。
最後に
今回は面接での転職理由について解説して来ました。
実際、現職で自分が出来ることに関してやりきれている状態まで行くと、ある種の自信が生まれ、正直ベースでさらけ出しても全く問題にならないと思います。
その自信は、行動量から来るもので、行動を起こせる人は環境を選ばないため、どの会社も欲しいと人材像にあげていると言っても過言ではありません。
ただ、その行動が成功につながれば良いのですが、結果として失敗となってしまう事もあると思いますが、失敗のプロセスで学んだことは価値になります。
その失敗のプロセスを知っていれば、同じことをお願いしても、その経験が活きることで、次の成功となる確率は上がるはずです。
経験は価値そのものなので、経験を色々した上で、正直ベースに近い形で転職理由を採用担当者に伝えられる事を目指すのは素晴らしいと思います。