こんな疑問をお持ちの方に向けての記事になります。
まず、結論からお伝えしてしまうと、転職の相談はすべきです。
ただ、転職の相談の目的をどこに置くかよって、得られる効果は大きく異なってきます。
転職における相談について、そもそもどう考えたら良いのかと、どんな効果があるのかを解説して行きます。
正社員、フリーランスを問わず、キャリア相談を1000人以上実施した私の経験から解説して行きます。
そもそも「相談」とは
辞書から深堀り
広辞苑を調べると「相談」とは
という意味を表します。
辞書からの深堀りをすると、「相談」は、一方的に意見を与えられることではなく、自ら取りに行く要素が必要であることが分かります。
何事にも共通することですが、消極的では得られるものは限定的になります。
より大きな効果を求めるためには積極的に関わることが必須になります。
「相談」について、もう少し深堀りしていくと
『互いに意見を出して話し合う』ということから、「相談」に臨むためには自分の意見を最低限持っておく必要があります。
また、『他人の意見を求めること』ということから、他人の意見を聞き出すために、質問のスキルが必要になります。
「相談」の捉え方によっては、自らその場に臨むだけでも、十分積極的であり、主体的であると言えます。
ただ、「相談」の効果をさらに高めるためには、「相談」に臨むための準備は必須になります。
転職における「相談」は、キャリアコンサルタントや転職エージェントに行う場合が多いです。
どちらも、プロフェッショナルとして、卓越した質問のスキルで、相談者が持っている潜在的な考えや意見に気づきを与えてくれることは、確かに良くあることです。
ただ、それは、相談相手となってくれた人の質問力や経験量に裏付けされた様々なキャリアの提案のスキルに関わってきます。
さらに、相談者として気づきを得たからと言っても、自分自身の意見と腹落ちさせることには、多くの場合、時間がかかる傾向にあります。
転職の相談内容から深堀り
転職の相談内容は相談者によって様々です。
例えば、
- 給料が上がらない
- 残業・休日出勤がある
- 仕事にやりがいや将来性がない
- 今の職場の人間関係に問題がある
- どうやって転職をすればよいのか
- 自分が転職すべきかどうか迷っている
等が挙げられます。
相談内容により、様々な分類に分けられますが、目的のほとんどは情報収集と言えます。
転職における相談は、自分が持ち合わせていない意見という情報を新たに収集することであり、その情報をもとに、最終的に自分で決断することと全く別物のプロセスとなるからです。
転職の相談をすることで、まず、自分では考えられなかった様々な意見に気づくことが出来ます。
その気づきを自身に腹落ちさせてから、更に必要な情報を集めることで、新たな意見をもとにした転職における選択肢を作ることは出来ます。
自分が用意できる選択肢を揃え切ったところで、今回の転職において、どの選択肢を選ぶのがベストなのか、判断することになります。
さらに、選んだものが実際に転職するという選択肢の場合は、その選択の中で成功を目指し突き進みます。
そして、ある時期で、今回の転職が成功しているかどうか振り返り、また、その次の転職をするかどうかを考えます。
これが転職活動の一連のプロセスで、転職をする回数分、その一連のプロセスを繰り返していきます。
ここで、お分かりのように、一連のプロセスの中での転職における相談の位置づけは、ほんの一部を占めるに過ぎません。
つまり、転職の相談だけでは、ほとんど場合、何も解決しないと言えます。
転職における相談内容で必ずでてくるのが、【自分が転職すべきかどうか迷っている】です。
これは、自分の判断を伴うことになるので、転職相談自体では解決出来ない相談内容になります。
転職相談の目的が情報収集という事を考えると、目的から外れるため、当然の結果となります。
自分が転職すべきかどうかの判断のために、判断基準となる情報を収集したいという目的であれば、転職の相談は有効な時間とすることは可能です。
転職における相談の効果
他人の経験を知ることが出来る
転職における相談により、他人の転職体験を知ることが出来る事が、転職を進める上で、非常に有効になってきます。
自分がこれから体験するであろうことを、事前に情報として収集出来ることで、転職で自分が揃えるべき選択肢がより、具体的、かつ、現実的にすることが出来るからです。
転職において、将来のことは、誰にも分からず、予測は不可能です。
ただ、同じような年齢で、同じタイミングで転職をしてきた人が、実際どのような転職をしてきたかを情報として知ることが出来ると、少なくとも将来進むべきキャリアのイメージは出来ることが多いです。
もちろん、同じ転職先に転職したとしても、全く同じ結果になる事はありえず、人それぞれの全く違った結果になることがほとんどです。
当然ですが、それまでの経験や得てきたスキルも人それぞれで違うので、転職で揃えられる選択肢も異なってきます。
また、世の中の景気の動向にも、選択肢は左右されますので、100%全て参考になることは無いかもしれません。
ただ、その中でも、自分にとっても参考になることは必ずあるはずです。
他人の転職経験の情報だからと言って、何でも良いというわけではありません。
転職の相談をしてくれる人ならば、転職についての成功談、失敗談は、様々持っているはずです。
その中から、自分にとって必要な情報を引き出すような積極的なアプローチが必要になります。
本当に、ただ、何も考えずに、相談相手の話を聞いているだけだと、この人すごいなとか失敗したくないなと思うだけで終わってしまいます。
相談相手から、今の自分で参考にできるところや、自分で実行できそうなところを質問しながら聞き出すくらいの姿勢は必要です。
自分の考えを整理することが出来る
転職の相談をする中で、自分の考えを整理することが出来ることが、転職を進める上で、非常に有効になってきます。
転職の相談を実際にする場合に、相手に自分の考えを理解してもらう必要がありますので、分かりやすく、伝える中で、自ずと整理が進むからです。
私も多くの方を相手に、キャリア相談を多く実施してきましたが、ほとんどの人は自分の考えが、まとまっていない状態でその場に臨みます。
一般的な質問に対する回答でも、上手く言葉が出てこないことが多いです。
例えば、
「何故、転職されたいんですか?」
と質問したとします。
「今の会社が嫌だから」
と率直な気持ちの回答が返ってきたとします。
ただ、これだけでは、今の会社の何が嫌なのかが分かりませんので、更に深堀りした質問をします。
「今の会社で、具体的に嫌なことは何でしょうか?」
この深堀りだけで、その場で考えて込んでしまうことなどザラです。
そのため、例え話を伝えたり、その後の様々な角度からの質問から、
「人間関係がきつい」、「評価を正しくされていない」、「ビジョンがしっくりこない」、などの
具体的な会社の嫌なポイントが見えてきたりします。
あるところ仕方ないことなのですが、職場で実際、仕事をしているのは自分で、明確になっていませんが、実際、嫌な思いをしているのも自分です。
その状態で、自分の会社の嫌なポイントを深堀りして、自ら見つけ出すことは非常に難しいです。
みんな我慢していることなのに人に話すのが恥ずかしい、自分が幼稚に見られるなどで、言葉にも出せないと、ブレーキがかかってしまうことも良くあります。
ただ、そもそも、転職の相談の場を、自分の考えを整理する場に使ってよいのでしょうか。
答えは、全く問題ございません。
自分で考えを巡らせても、堂々巡りになってしまって時間だけが過ぎてしまうことは良くあります。
そんな時は、手っ取り早く、相談相手に語ってみることで、自分の現状が把握できるので、そこから始めるのは1つの方法です。
転職の相談の場であれば、最悪全く喋れなかったとしても、喋れないという現状の把握は出来るので、効率かは置いておいて、前進はしています。
特に、キャリア相談や転職エージェントは、転職希望者の考えを整理することも仕事なため、そこを頼りにしても大丈夫です。
相談者相手によっては、転職の考えがまとまってないと失礼に当たるももいらっしゃると思いますので、そこは注意してください。
最後に
転職において相談をすべきかどうか、そもそも転職の相談をどう考えたら良いのかと、どんな効果があるのかを解説して来ました。
転職において相談は私としてはすべきであり、目的がずれるようなことをしなければ、転職活動に取って、有効な手段の一つとなることは間違いありません。
また、目的を明確にすることで、転職の相談の場を多く作ることは可能です。
ただし、自分も時間を使いますし、相手も時間を割いてもらえますので、転職の相談を実施するからには、効率的に出来る事が望ましいです。
とは言え、効率は一旦度外視しても良い場合もありますので、柔軟に転職の相談を使ってみるのが良いと思います。
本記事を参考にしてみてください。