キャリア相談【研究職からの転職後のキャリア形成の考え方】

学生時代に研究をやられていた方、3名のキャリア形成についてお話聞く機会があったので、思うことをまとめます。

就職で研究職以外に進むキャリアの考え方

学生時代の研究とは全く別の領域の職種へ就職した方のキャリア相談から感じたことです。

就職活動に注力出来なかった場合

新社会人として入社した会社で、自らの強みを改めて理解して、そのベースの元、職務経歴を積み上げられたかがポイントになります。

それが出来たか出来ないかによって、その後の転職などにおける選択が広がるかが変わってくるからです。

一般的なキャリアの一例

研究をやられている学生さんは、優秀な方が多いですが、忙しすぎるため、就職活動に時間を割けないです。

自分が属している研究室から企業の紹介はしてもらえますが、それ以外の道を模索するためには、自分で就職活動を進めるしかありません。

一般的に、就職活動にそこまで注力出来なくても、研究という「ガクチカ」があるため、内定は取りやすい傾向にあります。

 

なんとなく入社してしまっても、社会人としても普通レベルかそれ以上で活躍できたりすると思います。

そういう場合であっても、社会人経験を積み重ね、長い将来を見据えた時に、自分は何をすべきか、悩むタイミングは必ず来ます。

出来るだけ早い段階、例えば、第二新卒と扱われるうちに気づき事が出来れば、キャリアを立て直すチャンスは多いです。

その時期を過ぎてしまうと、チャンスは少なくなります。

 

今回の相談者の方の例

今回の相談者の方は、具体的な大学時代にご自身の研究をかなり尽力された結果、あまり就職活動に力を入れられなかった方のケースになります。

研究では賞を数々いただいているほど成果を出されていました。

そこまで成果を出されていても、研究テーマを続けていけるような働き口は無く、研究とは関係のない企業に就職を決められました。

外国籍の方で、日本語を始めとする語学が堪能だった事もあり、エンジニアとして自国の日系企業への就職が決まりました。

 

語学の強みを活かして、会社に対して貢献出来ましたが、そこまで給料も良いものではなく、給与アップのため転職を決意しました。

ただ、その転職の際に自分の武器としたのは、新卒の時と同じように日本語を始めとする語学のみでした。

社会人として数年経験して上での自分の強みの中に新しいものはありませんでした。

結局、転職先の仕事も前職と同じような仕事になってしまい、給与は若干改善したものの満足の行くものになりませんでした。

 

今後のキャリア形成の考え方

ここで大事なのは、転職では、新卒で評価された強み以外を、どのくらいラインナップ出来るかが勝負になります。

もちろん強みが同じということでも構いませんが、仕事として出来る事が増えていなければ、同じ評価になってしまいます。

つまり、新卒の学生と一緒ということになってしまいます。

今回の相談者の方の例で言うと語学は非常に強い武器ではありますが、職歴を重ねれば、語学が出来るだけでなく、語学と仕事の掛け合わせをアピール出来なければ厳しくなってきます。

おそらく就職活動の際に自己分析などにもう少し力を入れられていれば、語学という武器だけでなく、研究で築き上げた自分の強みを明確にすることが出来たはずです。

その結果として、もしかしたら就職先についても、もっと違う選択肢を揃えられたかもしれません。

 

抜本的にキャリアを考え直すために、自己分析を実施し、自分の強みを明確にする必要があります。

就職活動でも必要ですが、転職活動でも同様に必要になります。

自己分析をして、現時点の自分の強みを明確にして、実務経験から市場価値の高い職歴を積み上げることが重要になってきます。

自己分析は必要性を感じた時が、実施するタイミングだと思います。

就職活動の時に自己分析が出来ていなかったと思っても、気づいた時にやれば全然遅いことはありません。

 

転職で研究職以外に進むキャリアの考え方

学生時代の延長で研究・開発職に就職したものの、そこからの転職を実施した2人のお話から感じたことです。

転職にて多くが対応可能な職種を選んだ場合

転職にて多くが対応可能な職種を選び、比較的ハードルが下げながら、その中で、活躍していくやり方は一つありだなと思いました。

全く違う領域ではありますが、研究・開発職としての社会人経験も活かすことで、ビジネスとしての実務経験の少なさをカバーしているからです。

 

今回の相談者の方の例

具体的には、大学の研究職をされていた方が、保険の営業に転職された場合になります。

大学では、様々な仕事を担当し、忙しい日々を過ごされていましたが、将来を鑑みた時に、違う道を選択したほうが良いと考え、転職を決意されました。

そして転職先に選ばれたのが保険の営業でした。

 

営業と言う職種は、非常に奥深いですが、間口も広いのが特徴です。

圧倒的な行動力で成果を上げている人もいれば、人たらしとも言える人間関係の構築力で成果を上げている人もいます。

何十年選手の大ベテランもいますし、昨日まで学生だった新卒もいますし、なんならインターンとして学生の方もいます。

抵抗感さえなければ、比較的挑戦しやすい職種ではあります。

 

そして、営業する商品に優劣がなければ、最終的に担当してくれた営業の人柄で買う買わないを判断されたりもしますので、人間力は重要です。

職種は異なっても、研究職で得た社会人経験上手く活かすことが出来れば、自分独自の人間力を強みとして、他の営業との差別化が図れます。

実務経験の少なさをひっくり返ることが出来る職種になります。

 

今後のキャリア形成の考え方

実際お話を聞いた方のコミットメントの高さは素晴らしいと見受けられました。

つまり、自分で設定したKPIやスケジュールを守る切る力が間違いないのです。

 

保険の営業は結構ノルマがあるところも多いです。

その方は、ノルマから逆算して、ノルマ通りの成果を出すには、どのくらいの人に会ったり、人から紹介を受けたりしなければならないかを分析して、アクションプランに落とし込んでいました。

研究職時代に数字にコミットすることやスケジュールを守ることは徹底していたようなので、そこの経験を活かすことが出来ているようでした。

また、ゲーム好きというのも、仕事をクリアーして行くことの面白みを仕事にも活かしているようでした。。

 

自分の強みを理解して活かしつつ、職歴を重ねていますので、非常に良い形のキャリアチェンジをされていると思いました。

今後も今の状態でキャリア形成を進めて行けば、さらに自分がやりたいと思えるキャリアに進むことが可能になるはずです。

 

転職にてチャレンジな職種を選んだ場合

転職にて、チャレンジな職種を選び、経験不足に怯むことなく、がきながら進んでいくやり方は、人それぞれに向き不向きがあるなと思いました。

全く違う領域であるので、研究・開発職で得た社会人経験もほとんど活かすことができないと、乗り越えなければならない壁が多すぎてかなりしんどい戦いを強いられるからです。

 

今回の相談者の方の例

具体的には、大手企業の研究職をされていた方が、ベンチャー企業の新規事業立ち上げのため転職されていた場合になります。

大企業ならではの風通しの悪さや、評価制度を考慮すると、将来を鑑みたときに、非常に不安を感じたため、見切りをつけて、転職を決意されました。

そして、転職先に選ばれたのがベンチャー企業の新規事業立ち上げでした。

 

新規事業立ち上げは、どの企業も挑戦して行きたいテーマになります。

それは企業の大きさは問いません。

一方で、新規事業立ち上げを成功させる確率はそこまで高いものではありません。

どの企業もやりたいと思っていても、実際動き出すまでも時間がかかりがちです。

そして、いざ動き出したとしても、収益化出来る確率は高くないので、多くが失敗に終わるという代物です。

 

ベンチャー企業は、フットワークが軽く、新規事業の立ち上げも非常に早くチャレンジするところが多いです。

その反面、ダメだと判断した際に、撤退も早いです。

新規事業の立ち上げをお願いされて入ってきた中途社員は、上手くいけばそのまま責任者として続けていくことができますが、失敗した場合は、自分で仕事を探さなければなりません。

新規事業立ち上げなど、ビジネス経験が豊富であれば、二の手、三の手を持っているため、新たな新規事業への上手くシフトしてチャレンジの継続ができるかもしれません。

自分で切り開けない場合は、会社から仕事を与えられることになります。

その与えられる仕事が、そもそもやりたい事かどうかは度外視せざるを得ず、自分の給料分を稼ぐためにやらなければなりません。

その現実を突きつけられて、こんなこと仕事をやるために転職したんだっけと自問自答が始まります。

その結果、ちょっとの期間で転職をするという人は多いです。

 

今後のキャリア形成の考え方

研究職をされていた方は、頭脳明晰で優秀な方が多いです。

ビジネスモデルもすんなり理解できたりもするので、自分にもやれば出来るのではと考える事は多いはずです。

そう思う事自体、全然、問題ありません。

ただ、新規事業の立ち上げが成功する確率は低いこと、もし成功しなかった後の立ち回りは、自分自身で切り開き、時には我慢が必要なことは理解しておくべきです。

可能であれば、それが出来る足りる経験があるのか、経験がなくても多くの壁を乗り越えられる気合があるのかは、転職前に確認することは重要なことになります

 

迎え入れる会社も、優秀の人が担当すれば、新規事業の立ち上げも上手くやってくれると、過度な期待をする場合があります。

そういった会社の待遇は、入社してからは、丸投げ感があり、ある時期から成果が上がらないことを理由に責められてしまうなんて事もあり得ます。

新規事業の立ち上げにどれだけ真剣かも、会社の見極めも当然ながら必須です。

最後に

学生時代に研究をやられていた方々のキャリア形成について何人からお話聞くことがあったので、思うことをまとめてみました。

研究をやられていた方々は、皆さんとても優秀です。

当然のことながら企業からの評価も高いです。

学生生活のほとんどを研究に費やしていますので、社会人としてのスキルは常に養われています。

ただ、学生生活が忙しすぎて、通常の学生が就職活動でやる自己分析が十分にできていない方も多いように思います。

とは言え、自己分析は、何も就職活動でなくても、転職活動のタイミングなど、気づいたときにいつでもやれます。

自分の理解が深まれば、その後どうするべきかは比較的わかりやすくなります。

つまり、自分の強みは何のか、それをどうすれば自身の市場価値が上がっていくのか、そのためにどう行動を起こせば良いのか、見えてくるはずです。

この記事を、是非、参考にしてみてください。

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