フリーランスは、業務委託契約で仕事をすることが多いです。
そのため、スコープが予め明確に決まっているので、指示通りやればOKと認識されている方も多いかもしれません。
しかし、実際は、そんなことはなく、主体性を伴った立ち回り求められることがほとんどです。
なぜ、フリーランスの仕事では、主体性は求められるのでしょうか?
フリーランスの方々に、仕事を紹介してきた立場から、私の観点から解説していきます。
主体性と自主性・自発性との違いとは
主体性の解説と、自主性・自発性との違いについて解説して行きます。
主体性とは
辞書を調べると
とあります。
自分の判断が伴うところがポイントになります。
仕事を丸投げしてくるような場合を例にしてみます。
仕事を丸投げされているわけですから、その仕事の目的やゴールは不明なままなことがほとんどです。
そのため、確認することが必要ですが、直ぐに難しい場合は、自分で目的やゴールを仮設定して、進める事が時に必要になります。
そして、進めながら、必要な情報を自分で取っていきながら、仮設定した目的やゴールに修正をしながら、進めていきます。
最終的には、仕事の依頼主と合意をとった目的やゴールを設定し、それに向かって進み、依頼者が満足するレベルの成果を出していきます。
仕事を進めていく上で、自分の判断を大いに伴うことが大前提になります。
フリーランスへの仕事は、依頼主となる担当者が忙しいことが多く、仕事が回らないため、解決策としてお願いされる場合がほとんどです。
そのため、丸投げの状態で仕事を依頼されることも多いです。
主体性を持っていれば、自分で考えて、進め、成果を上げてくれるため、担当者は非常に助かることになります。
もちろん、期待値は、仕事それぞれで違うので、その確認作業が発生するため、厳密には100%丸投げ状態はあり得ません。
ただ、非常に軽い負荷で、相応の成果を上げてくれるならば、高めの単価を支払ってでも、依頼する価値は十分にある判断されます。
自発性・自主性との違い
主体性と同じように使われる言葉で、自発性・自主性があります。
具体的に違いは何なのでしょうか?
辞書を調べると
自発性:
他からの影響・強制などではなく、事故の内部の原因によって行われること
自主(自主性):
他からの干渉や保護を受けず、独立して事を行うこと
とあります。
他人からの指示等でなく、自分で行うことがポイントになります。
さらに、主体性との違いは、自分の意志は共通していますが、自分の判断が伴うか伴わないかになります。
自発性・自主性が備わっている人とは、あらかじめ決められた目的やゴール設定の中で、率先して行動出来る人のこと指します。
上司からの細かな指示がなくても自分で行動を起こせるので、一般的にはレベルは高いです。
ただ、前述した丸投げされた仕事を受けた場合は、その違いが顕著に現れます。
自発性・自主性が備わっている人であっても、自分で目的やゴール設定をすることは難しいです。
そのため、自発性・自主性を発揮してもらうために、仕事を依頼する側が、ある程度のフォローなどに工数を割くことが必要になります。
もし、その工数を割かずに、仕事を丸投げした場合は、どうなるのでしょうか。
自発性・自主性は備わっているため、仕事を進めようと行動をするとは思います。
ただ、目的やゴール設定がないので、何が正解かわからない中で進めるので、見当違いなことをしてしまいます。
改善を試みますが、何をすれば良いか分からなくなります、そのうち、どう進めるべきかも考えられなくなります。
いわゆる思考停止に陥り、完全に指示待ち、受け身の状態になってしまいます。
フリーランスの場合でも、自発性・自主性が備わっていれば、それに見合った仕事もあります。
依頼主が、仕事の切り分けが出来ており、スキルに見合った単価を設定し、足らない部分はフォローなどで補うと考える場合もあるからです。
ただ、フリーランスという仕事の性質上、お任せされる仕事が多いので、主体性が備わっている方へのニーズは高いです。
そもそも、フォローの工数が発生するくらいなら、部下の社員を使うと考える方が多いです。
主体性のある人の特徴
主体性のある人の特徴について、評価という観点から解説していきます。
他人からの評価
仕事の成果を期待通り、それ以上にあげてくれるので、他人からの評価に高くなります。
そして、仕事がひっきりなしに依頼される事になります。
主体性が備わっている方は、自分で考えて、勝手に自走してくれるので、仕事を依頼する側も楽ができるからです。
主体性が備わっている人に仕事を任せることは、1だけ言えば10の成果が得られることを意味します。
仕事を依頼する立場からすると、これほど楽なことはありません。
残りの9に関しては、他の仕事に充てることができます。
また、唯一言う1に関しても、主体性のある人は、依頼主側が事前に整理しておくべき依頼内容をヒアリングを通して整理してくれることも期待できます。
そう言う場合の依頼主としては、1すらやっておらず、ほぼ0の状態で、ほとんど何にもやっていない感覚を持つ方もいらっしゃいます。
そして、期待値のコントロールもしてくれるため、成果のレベルも想定できるため、非常に安心感を持ってお願いできます。
フリーランスとしてこの状態になると無双です。
今回お願いした仕事が終わったとしても、別の仕事をお願いしたり、違う部署に紹介して、違う仕事をお願いされたりが起こってきます。
いわゆる口コミにより、仕事をお願いしたい方々が行列をつくる状態です。
例えば、仕事をお願いしていた人が、その会社を卒業した時に、転職先の会社で仕事をお願いされる事もあります。
私もフリーランスの方に仕事を紹介する会社に在籍して、登録面談を1000人以上担当していましたが、行列状態の方が登録されることは稀です。
何故ならば、紹介会社を経由しなくても、仕事が取れるからです。
フリーランスとして、一つ一つの仕事で成果を出して、仕事の依頼主に満足いただくことは必須になります。
その満足を超えて、主体性を持って仕事を進めることは、仕事を次々お願いされる重要なポイントになります。
フリーランスの場合は、営業をどうして行くかは非常に課題になります。
主体性を持った仕事ぶりをすることは、その課題の一つの解決になるかもしれません。
自分の評価
他人からの評価がいただけるので、自分の仕事に対して自信につながります。
そして、仕事を楽しく行う傾向が高くにあります。
主体性が備わっている方は、仕事の裁量をかなり持って仕事に取り組みますので、達成感を感じやすくなるからです。
主体性が備わっている人に仕事を任せることは、1だけ言えば10の成果が得られることを意味します。
仕事を受ける側の立場からすると大変です。
1聞いたことから、残りの9を生み出さなければならないからです。
ただ、裏を返すと、10のうち9関わらなければならない仕事とは、圧倒的な裁量権を持っていることと同じ意味になります。
つまり、自分がやりたいように出来ると言うことです。
そんな仕事の成果を、期待値通りにあげる事が出来れば、達成感は半端ありません。
成果に対する対価である報酬も手に入れられ、相手から感謝もされ、また、違う仕事をひっきりなしに依頼されたりもすれば、大きな自信につながります。
そして、また依頼された仕事で成果を出すようなサイクルを繰り返して行くうちに、大変ではありますが、仕事の成果をあげることが楽しくなってきます。
もちろん、フリーランスの評価は明確なので、一度、信頼を失うと、大きなダメージを受ける事になります。
中には取り返しつかないこともあり得ます。
成果を期待値通りか、期待値以上に出すと言うことは必須なので、スキルなどのブラッシュアップは常に必要です。
そこも主体性が求められます。
フリーランスを続けて行くこと自体、かなり厳しいことに間違いはありません。
ただ、その期待に応えることを続けられた時に、達成感や仕事を楽しいと感じやすいのだと思います。
主体性を身につけるには
主体性を身につけるための考え方と実際の仕事での鍛え方について解説して行きます。
考え方
仕事に対しては、他責思考ではなく自責思考になる事が重要です。
ここで、
他責とは、他人を責める事、失敗や過ちの原因を他人のせいにして責めること。
自責とは、自分を責める事、失敗や過ちの原因を自分のせいにして責めること。
の意味になりますので、他責思考と自責思考とは物事を捉える思考の傾向のことと言えます。
自責思考であることが重要なのは、他責思考になってしまうと、他人を責める事で完結してしまうので、自己成長に全く繋がらなくなってしまうからです。
他責思考は、自分以外に原因があり、そのことを責めるため、例えば、仕事が上手くいっていない事に対して、自分の関わりはゼロになってしまいます。
仕事で上手く行かない事に自分の関わりが無いので、自分に対する思考は終了します。
そのため、現状にて仕事を上手く進めるためにどうすれば良いか、また、この経験を次に活かすためにどうすれば良いかという思考も起こりません。
よって、ノウハウや経験が積み上がって行かず、成長が出来なってしまいます。
もちろん、仕事で上手く行かなかった事の原因が明らかに他人に原因ということもあり得ます。
仕事を依頼された現場が、自分にはどうする事も出来ない社内政治の渦中にあり、真っ当な提案も通らないなんて事はあり得る話です。
ただ、ノウハウや経験を積み上げていくには、そんな現場でも、自責思考は必須です。
仮に結果が上手く行かなかったとしても、その振り返りで、どうするべきかを自問自答して、考え抜いてみるべきです。
その中で、自分の成長に繋がる課題が見つかれば、その課題感を持ちながら、新たな仕事で、挑戦すれば、いつまでも成長し続けることできます。
他責思考や自責思考に関しては、スキルの問題ではなく、思考の問題なので、今この瞬間からでも変えられます。
もちろん思考を変える事により、さまざまな壁が立ちはだかり、それを乗り越えるなどをしなければならないため、大変になることは間違いありません。
そこを自分が望んでいるかは、仕事やスキルの考え方に依存しますので、一度考えてみることをお勧めします。
フリーランスの中でも、スキルが高くても、主体性がそんなに高く無い人もいらっしゃいます。
それはそれで、仕事を選べば良いだけで、人それぞれの考え方なので、良い悪いではありません。
仕事での鍛え方
主体性を持って仕事を進めるためにの目的やゴールの設定については、自分で仮説で良いのでで立ててみる事が重要です。
自分が仮説で設定したゴールに対して、仕事の依頼者からのヒアリングなどにより、検証する事ができ、自分の力を試すことができるからです。
仕事の依頼者からのヒアリングなどで話を聞く前に、仮説で目的やゴールを設定することは、通常は難しいです。
ノウハウや経験が積み上がっていれば、似たような仕事の経験から、仮説がズバッと当てる事も少なからず起こる事ではあります。
一方、そこまでノウハウや経験が積み上がっていないならば、無理なことは明らかです。
そのため、ノウハウや経験を擬似的に積み上がっている人の状態を作るために、突貫で良いので片っ端からインプットを進めるしかありません。
仕事の依頼主かのヒアリング前なので、一般的な情報から、自分に必要そうなものを自分で選択して、インプットしまくるしかありません。
例えば、お客様の規模感、プロジェクトの置かれているであろう現状、そんな中で自分に求められていること、よくあるプロジェクトがつまづくポイントなどなど、妄想で構いませんので、思い当たるものを全てインプットしていきます。
その上で、仮説をなんとか設定して、自分の力を試す事が可能な検証状態まで持っていく事が必要です。
そこまでして、実際に検証して見ることで、自分の課題が浮き彫りになるはずです。
その課題を一つ一つ解消して行きば、驚くようなスピードノウハウや経験が積み上がって行く事になります。
そんな事前準備をせずに、仕事の依頼主からのヒアリングにてゼロベースから始めるでも問題ないと考える方もいるかもしれません。
ただ、フリーランスの場合は、仕事で主体性を求められていることが多いことは前述させていただきました。
実際にヒアリングする場合でも、仕事の依頼者が、どの程度主体性があるのかを判断されていると言う事もあり得ます。
例えば、どのくらい質問をしてくるかなどは、一つの良い指標になります。
現状のプロジェクトの問題となってる部分に関する質問をいの一番にしてくれたら、おそらく、この人分かっているなとと言う印象を与えられると思います。
フリーランスの場合、依頼主からの見え方なども、気をつけなければなりません。
それ相応の金額をもらっているからこそ、相手からはプロフェッショナルとして見られます。
そのため、突貫でインプットしたことでも、以前から知っていたと思わせる事も時には必要になります。
この人に聞けば何でも解消してくれると思ってもらえることは、フリーランスとして仕事を進めて行く上で、重要な事です。
そして、求められる事に、主体性を意識して、一つずつ応えて行くことで、主体性を持って仕事を進めることが出来るようになるはずです。
最後に
フリーランスの主体性の考え方として、自主性、自発性との違いから解説してきました。
本記事は、フリーランスに向けた話ですが、正社員でも参考になるところが多いはずです。
仕事の依頼者を上司など社内から仕事を任される相手に、置き換えれば、正社員の方の話になります。
ただ、フリーランスのように、ここまでシビアな関係性でないかもしれませんが、意識するだけでも、仕事への取り組み方は変わってくると思います。
そして、他人からの評価や自分の評価も変わるかもしれません。
この記事を参考にして、主体性を身につけてみてください。