フリーランスの期待値コントロール法【難易度が低い状態でやる!】

コンサルティング業界に関わる事で、初めて耳にした「期待値コントロール」という用語。

実際、コンサルタントの皆さんは、どのようにやっているのでしょうか。

フリーランスのコンサルタントの方に案件を紹介する中で、評価が高く、仕事の依頼をいつもされるような方は、「期待値コントロール」を上手く実践されていました。

私も現在フリーランスをやっていますので、その時に目にしたものの中で、私でも真似出来そうな事を取り入れつつ、試しながら実践して来ました。

本記事では、フリーランスの「期待値コントロール」法について、最低限意識している事を、私が実践している事をベースに解説して行きます。

私が最低限意識している事

私が意識している事は、大きく分けて2つです。

  • 「期待値コントロール」を実施するタイミング
  • 「期待値コントロール」を実施する相手への接し方

の2つです。

この2つを意識するだけで、「期待値コントロール」の難易度が、劇的に下がるからです。

 

「期待値コントロール」という言葉そのものですが、揺れ動き易い『期待値』を如何にコントロール出来るか勝負です。

『期待値』のズレが生じた上での、「期待値コントロール」の難易度は、そこそこ高いです。

『期待値』のズレが大きくなれば、期待値コントロールの難易度は、上がって行きます。

そのため、現状の『期待値』を正しく把握をして、『期待値』のズレが小さい時に、如何に先手を打って対処するかに尽きます。

 

まず、1つ目の「期待値コントロール」を実施するタイミングについてですが、実践する上で、気をつけている点がさらに2つあります。

  1. 仕事が始まった直後に必ず実施する
  2. 『期待値』のズレが小さい時に実施する

『期待値』のズレが大きくない時に「期待値コントロール」をやってしまうという狙いです。

 

次に、2つ目の「期待値コントロール」を実践する相手への接し方についてですが、実践する上で、気をつけている点が、こちらも2つあります。

  1. 必ず、主導権は自分が持つ
  2. 良い事は控えめで、悪い事は出来るだけそのまま伝える

現状の『期待値』を正しく把握が出来易い状態を目指し、さらに、自分が伝えた事で『期待値』のズレが大きくならないようにする事が狙いです。

 

私が意識している事の2つと、その実践のために気をつけている事についてさらに詳しく解説していきます。

私が最低限意識している事

気をつけている2つについてです。

①仕事が始まった直後に必ず実施する

「期待値コントロール」は仕事が始まった直後に必ず実施するようにしています。

仕事が始まった直後のタイミングが、「期待値コントロール」の難易度が一番低いと言えるからです。

 

『期待値』のズレは生じるもの

仕事が始まった時、『期待値』のズレは、必ず生じていると思って間違いありません。

何故なら、仕事を依頼する側が、この仕事で目指しているゴールに関して、明確に把握出来ていない事が多いからです。

 

特に、初めて仕事をする場合は、仕事を依頼する側が、仕事の詳細を聞いて、仕事を受けたという前提であっても、実際はどうなのかわかりません。

それは、相手も同じであり、仕事を受ける側の自分が、実際の仕事ぶりなどは、理解されていません。

そんな状態であれば、今回の仕事に関して、『期待値』のズレは、必ず生じているのは当たり前です。

ですから、『期待値』の擦り合わせのために、この仕事で目指しているゴールが何なのかを明確にする事は、仕事を進める前にやっておきたいファーストステップとなります。

 

初めての仕事で無くても、この『期待値』のズレは生じていると思って良いと思います。

依頼を受けた仕事の全ては、自分自身でゴールを設定し直すくらいの意気込みでちょうど良いと思います。

 

『期待値』のズレが大き過ぎたら

初めから『期待値』がズレが思った以上に大き過ぎる事もあり得ます。

その場合でも、仕事が始まった直後のタイミングを逃すと、時間が経つにつれて、『期待値』のズレは広がって行く事は確実です。

後になればなるほど、「期待値コントロール」の難易度は飛躍的に高まります。

また、仕事の依頼主も、仕事が始まった直後のタイミングであれば、自分が考えるゴール設定を変更される事を許容し易い傾向にあります。

往々にして、仕事が始まる前は、仕事の依頼主の『期待値』は高まる傾向にありますので、そこを現実的なものに落とし込んであげるイメージです。

以上から、相対的に見て、仕事が始まった直後のタイミングで「期待値コントロール」をすべきです。

 

ただ、仕事が始まった直後のタイミングで、「期待値コントロール」の実施が出来たとしても、『期待値』のズレが大き過ぎて、解消出来ない事もあります。

その場合は、残念ながら、仕事をお断りすべきです。

その仕事の中で一番難易度が低いタイミングで「期待値コントロール」を実施しても難しいのならば、その後の「期待値コントロール」は不可能に近いです。

仕事をお断りする事で、お互いの被害を最小限する事も、「期待値コントロール」の一つの方法になります。

②『期待値』のズレが小さい時に実施する

「期待値コントロール」は、『期待値』のズレが小さい時に実施します。

『期待値』のズレが小さければ、「期待値コントロール」の難易度が比較的低いからです。

 

『期待値』のズレの小さいとは?

『期待値』のズレが小さいとは主観的なので、自分が考える許容範囲を考えるのがポイントです。

ただ、その許容範囲をどう設定するかは難しいところです。

明確なラインはなく、様々な現場での「期待値コントロール」を実施して、自分の中で出来上がる経験則だと思っています。

 

まだ、経験則となるほど経験が無ければ、『期待値』のズレを発見した時点で、「期待値コントロール」をすぐ実施するのが良いと思います。

発見したタイミングでの「期待値コントロール」を実施する事が、仕事を進めていく上で、一番難易度が低い事は間違いありません。

その都度、実施すれば、一番リスクなく仕事を進められます。

仕事の依頼主からしても、都度、「期待値コントロール」を実施してくれるので安心感を持ってくれる方も多いと思います。

 

ただ、仕事の依頼主が他業務で忙しすぎたりする場合は、その都度の実施が難しい事もあります。

限られた打ち合わせの中で、一番効果的なタイミングで、「期待値コントロール」を実施する必要があるため、経験則からの許容範囲を設定する必要があります。

試行錯誤しながら、自分が実際に「期待値コントロール」を実施してみて、比較的対応出来るラインを引く事ができれば大丈夫です。

「期待値コントロール」を実施するタイミング

気をつけている2つについてです。

①必ず、主導権は自分が持つ

仕事の依頼主に対する接し方として、常に自分が主導権を持つ事が大事です。

「期待値コントロール」が必要となる『期待値』のズレをいち早く把握して、「期待値コントロール」の難易度が低い状態での戦いに持ち込む事が出来るからです。

 

『期待値』は、仕事を進めるうちに変化が生じやすいです。

そのため、『期待値』がどう変化しているのかについて、把握し続ける事が必要になります。

『期待値』の変化を把握し続けるためには、仕事の依頼主に対する接し方、つまり、コミュニケーションにおいて、主導権を持ち、先手を打つ事が重要です。

そうする事で、『期待値』の変化を把握して、『期待値』にズレが生じたと判断したら、すぐに「期待値コントロール」を実施する事が可能になります。

 

仕事におけるコミュニケーションの基本(報連相)

仕事におけるコミュニケーションの基本として、報連相があります。

私が仕事において報連相を実施する上で、どのような意識で主導権を持つようにしているかを、さらに、解説していきます。

 

報連相の報告についてです。

報告に関しては、決まった形式で定期的に行っていくという意味合いが強いです。

報告の頻度や内容の粒度は、自分として決められない場合も多いので、決まったものに淡々と従う形で良いと思います。

 

報連相の連絡・相談についてです。

この2つに関しては、主導権を持ちながら実施が可能であり、試しながら反応を見るような手段に向いています。

頻度や情報の粒度も、自分で決めて行く事が比較的可能です。

 

連絡・相談における頻度と粒度の決め方

仕事が始まって間も無くは、お互いの理解が進んでいないため、連絡・相談の頻度に関しては出来るだけ小まめに取っていた方が良いです。

ただ、その中で伝える情報の粒度に関しては、いろいろ試しながら反応を見ていく事が必要です。

 

仕事が軌道に乗っておくと、お互いの理解は進みます。

連絡・相談を頻度も落ち着き、伝える情報の粒度も固まって来ているかもしれません。

ただ、その場合も、頻度に関しては最低限で良いので実施するべきだと考えます。

報告の部分に集約してしまい、連絡・相談の頻度をゼロにするやり方もありますが、あまりお勧めしません。

報告からでは、『期待値』の変化を把握するという目的を達成し辛いからです。

頻度は最低限で良いので、実施して行きましょう。

②良い事は控えめで、悪い事は出来るだけそのまま伝える

仕事の依頼主に対する接し方として、良い事は控えめで、悪い事は出来るだけそのまま伝える事が大事です。

『期待値』自体を極力高めさせないようにして、『期待値』のズレを生じにくくさせる事で、「期待値コントロール」を実施する機会を減らせるからです。

 

仕事を進めて行く上で、当たり前ですが、良い事も起これば、悪い事も起こり得ます。

この事を、仕事の依頼主にどのように伝えるかは、『期待値』に大きく影響を及ぼし、『期待値』のズレを生じさせる原因にもなります。

私は、伝え方に関して、良い事が起こった時は、出来るだけ抑えめにし、逆に悪い事が起こった時は、比較的そのまま伝える事を意識しています。

 

良い事、悪い事が及ぼす影響

途中過程で起こる、良い事、悪い事は、その時点の状況に過ぎません。

仕事を進めて行く上で起こる事は、仕事の最終的な成果に直結はしますが、まだ、成果が確定した訳ではありません。

その状況に、仕事を依頼されている側として一喜一憂する事自体には、問題無く、自身のセルフコントロールでどうにかすれば良いだけです。

ただ、仕事の依頼主が一喜一憂してしまう場合は、あまり好ましくない状況になっていると言えます。

 

良い事に関しては、想定している以上の成果が出るのではと、仕事の依頼主の『期待値』を暗に高めてしまう原因になります。

現時点で起こっている事を、そのまま伝えてしまうと、『期待値』をより高めてしまう可能性が高まります。

 

悪い事に関しては、仕事の依頼主も、出来れば聞きたくないですし、仕事を依頼された側も、出来るなら言いたくないです。

悪い事を言ってしまう事で、仕事の依頼主が大丈夫なのかと不安になってしまって、仕事を進める上で、確認の回数が増えてしまう可能性もあります。

ただ、悪い事は伝えないと、仕事の依頼主が上手くいっているんだろうと解釈してしまいます。

その事が、実際は仕事の依頼主が思っているほど、上手く行っていない状況から比べると『期待値』が上がってしまっている状態になります。

つまり、『期待値』のズレが生じてしまうのです。

 

良い事、悪い事の具体的な伝え方

良い事は、仕事の依頼主の『期待値』を高めないために、出来るだけ感情などを入れる事はせず、事実ベースのみ伝えるべきです。

嬉しい気持ちをグッと堪えて、抑えめに伝えるぐらいがちょうど良いです。

 

一方、悪い事は、仕事の依頼主の『期待値』を高めないために、出来るだけストレートに伝えるべきです。

『期待値』を維持もしくは下げさせるくらいを意識するぐらいでちょうど良いです。

 

もちろん、悪い事に関してはストレートに伝える判断は正直難しいです。

事前に自分の力だけで、好転させるような策を講じれば、解決してしまう事もあり得ます。

ただ、その見立てが立っていたとしても、伝えるタイミングが遅れるのは最悪です。

 

もっと早いタイミングで知っていれば、対処出来た事も出来なくなってしまう可能性が出てきてしまいます。

そうであれば、悪い事は、早くストレートに伝えながら、その時点で考えられる対処方法を用意して、報告と同時に指示を仰ぐようなやり方が良いです。

 

最後に

フリーランスの「期待値コントロール」法について解説してきました。

「期待値コントロール」は、何も考えずにやろうとすると、それ自体で難易度が高いものが多いです。

だからこそ、「期待値コントロール」は、如何に難易度が低い状態での戦いに持ち込めるかが勝負になって来ます。

本記事では、「期待値コントロール」を実施するタイミングと「期待値コントロール」を実施する相手への接し方の2点を解説させていただきました。

「期待値コントロール」法が上手いと、仕事の依頼主にも満足されて、仕事のリピートに繋がって行くはずです。

フリーランスに限らず、会社員の方も、日々の仕事の中で、この「期待値コントロール」法は使えます。

今、思えば、自分自身も、会社員時代に上手く立ち回るために、やっていた事は多いです。

是非、参考にしてみてください。

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